部屋の中に誰かが居るような

キーボードを叩く手が、

なんか変な感じがする。

 

生唾を飲み込む音が、

頭の中に響く。

 

タバコに火を点けた。

 

少し今迷ったが、

書いてみようと思う。

 

拙い文章だけど、

興味のある人は読んで欲しい。

 

以前、ある地方にあるアパートに

住んでいたことがある。

 

霊感とかは自分では

全く無いと思うし、

 

幽霊とか見た事も無かった。

 

自分の住んでいた部屋は

6畳と4畳半の2部屋があって、

 

1階の端の部屋。

 

それまでは本当に何も無く、

普通に暮らしていた。

 

でも、ある日から突然、

おかしい事が起き始めた。

 

奇妙な音・・・。

 

4畳半の部屋で寝ていると、

 

6畳の部屋で誰かがボソボソ

喋っているような音。

 

最初は気にしなかった。

 

というより、

 

気味が悪くて

考えないようにしていた。

 

電気も点けっぱなしで

寝るようになった。

 

でもそれが、

一週間、十日と続いてくると、

 

さすがに気が参ってしまった。

 

ノイローゼになりそうだった。

 

仕事先から家には帰らずに、

 

同僚や上司の家に

泊まり歩く日が続いた。

 

人には話せなかった。

 

根性なし度胸なしと言われるのが

恥ずかしかったから。

 

5日ぐらい帰らなかった。

 

でも、さすがに訳を隠して

人の家に泊まる続けるのも、

 

そろそろ限界だった。

 

思い切って一人の同僚に

訳を話してみると、

 

不思議とすんなり信じてくれた。

 

多分、自分に気を

使ってくれたのだと思う。

 

真面目にノイローゼ寸前

だったから。

 

次の日は休日だったし、

 

同僚も一緒に自分の家へ

来てくれる事になった。

 

同僚がドアを開けようとした。

 

普通に中に入ろうと、

ドアノブを廻したんだと思う。

 

その瞬間、

同僚がふっと立ち止まった。

 

「今・・・向こうでノブ、

誰か廻したぞ・・・」

 

鳥肌が立った。

 

同僚も身動き一つせず

立ち竦んでいる。

 

同僚が小さな悲鳴のようなものを立て、

ノブから手を離した。

 

自分達が見たものは、

独りでにガチャガチャ言うドアノブ。

 

明らかにドアの向こうには

誰かが居て、

 

自分達が部屋に入る事を

拒んでいるような感じだった。

 

同僚と自分は怖くなり、

そこを駆け足で逃げ出した。

 

しかし、冷静に考えると、

 

もしかすると誰か中に

居たんじゃないか・・・

 

そんなことも思い、

 

思い切って

同僚と警察に行った。

 

何者かが部屋の中に

居るようなんです、

 

と言うと、

 

お巡りさんが2人、

一緒に来てくれた。

 

連絡を受けて、管理人さんも

来てくれる事になった。

 

お巡りさんと一緒に、

自分の家まで行った。

 

お巡りさんは、

 

中を見てきますのでと言うと、

家の中に入っていった。

 

鍵は開けたままだった。

 

しばらくして中に入るよう言われ、

部屋に入った。

 

盗まれたものは何か無いか?

荒らされてはいないか?

 

等の質問をされたが、

 

部屋の様子は

以前と変わらなかった。

 

お巡りさんは、

 

近頃この辺も物騒なので、

もし何かあったら構わずに通報してくれ、

 

と言い残し、帰っていった。

 

それから少し遅れて、

管理人さんがやって来た。

 

自分は単刀直入に聞いた。

 

この部屋で以前、

何か無かったのか?

 

と自分の体験した事を

全て話した。

 

しかし、管理人さんは

何も思いつかないと言う。

 

こういう仕事をしていれば、

 

そういう怪談めいた話は

聞くこともあるが、

 

自分が見ているところには

 

そういう因縁めいた所は

一つも無い、と言う。

 

私と同僚と管理人さん、

 

3人で私の部屋の前の廊下で

そんな話をしていると、

 

またドアノブが

ガチャガチャ言い始めた。

 

気が狂いそうになった。

 

その後、

自分はすぐ引っ越した。

 

業者に作業を全部頼み、

 

引越しには立ち会ったが、

部屋には一歩も入らなかった。

 

管理人さんに挨拶に行くと、

御祓いを頼んだよと言っていた。

 

同僚は今でもドアノブを掴む事に、

何とも言えない恐怖を感じるそうだ。

 

自分も今になると大分

落ち着いたと思うけれど、

 

未だにドアノブを

見る事が怖い。

 

ここにこうして書く事によって

自分の恐怖心は薄れるかと思ったが、

 

鮮明に思い出してしまい、

心臓が今でも高鳴っている。

 

(終)

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