リアウインドウに映っている人影
東北自動車道の横の
122号線での体験。
川口市、外環から
122号線を北上して、
さいたま市の自宅へ
帰る時の話。
時刻は午前四時頃。
浦和インターへの入口と別れて、
ちょっと経った頃。
「ん~?前後から車が
居なくなったな。
さっきまで後ろにピッタリ
くっ付いていたトラックは
どこ行った?」
ふとバックミラーを見る・・・
!!!
後ろに人影がある。
黒い、文字通りの
人「影」が・・・。
「い、いや、落ち着け!
前方の光で出来た
俺自身の影が、
リアウインドウに
映ってるだけだ!」
でも、前の方に
そんな強い光は無い。
それに、
ほとんど直線の道でも、
微妙ながら左右に動かす
ハンドル操作をしている。
影がリアウインドウに
ピッタリと貼り付いたように
動かないってことは
ないはずだろう。
「いや、俺自身の影だ!」
と自分に言い聞かせながら
運転を続ける俺。
そのうち、
あることに気づいた。
ずっと後ろを走っている
車のヘッドライトが、
車線変更でその影の方へ
移動すると、
(この道は一方向のみの2車線)
光量がグッと落ちる。
つまり、
その「影」は光を通し難い
半透明の実体なのだ。
ヤバイ!ヤバイ!
「南無阿弥陀仏・・・
南無阿弥陀仏・・・」
と心の中で唱えながら
運転しているうちに、
そいつは消えた。
(終)