ある時期になると皆が出て行く家 2/2

一軒家

 

バルサンから三日後の夜。

 

彼女とのデートに出かけたAの部屋で、

こっそりDVDを見ていた時の事です。

 

少し暑いのでエアコンでも入れようと

スイッチを入れた瞬間、

 

ポトポト・・・ポルポト・・・と、

 

エアコンの噴出し口から

何かが落ちてきました。

 

その正体はゲジゲジでした。

 

しかも3匹。

 

声にならない叫びというものを、

生まれて初めて上げながら、

 

後ずさりして落ちたゲジゲジを

抹殺する道具を探していると、

 

ササササササササ・・・と、

 

ゲジゲジがこちらに向かって

走ってくるのです。

 

本当に恐ろしかった。

 

ここに住む虫共は、

人間を恐れないのです。

 

とりあえずAの部屋から逃げ出し

ドアを勢いよく閉めた後、

 

最近は口を聞いてくれない

Bの部屋へ逃げようとした瞬間、

 

バタンッ!とBが凄い勢いで

部屋から飛び出してきました。

 

急いでBに駆け寄り、

何が起こったのか訊いてみますが、

 

「もう無理!もう出ていく!」

 

と言うばかりです。

 

怖いという気持ちもあったのですが、

 

とりあえず何が起きたのか

知りたかったので、

 

彼の部屋に入ろうとすると、

Bが一言・・・

 

「タンスの・・後ろ・・・」

 

と呟きました。

 

何のことだかよく分からなかったのですが、

 

部屋に入り、

タンスの後ろの隙間を覗き込むと、

 

暗くてよく見えない中で、

何かが動いているのが見えます。

 

なんだろう?ゴキブリか?と思い、

少しタンスをずらすと、

 

サササササ・・・サササササササ・・・

ササ・・・サササササ・・・サササササ

 

と、恐ろしい数のゲジゲジが

這い出てきたのです。

 

恐怖のために少し多めに

見えたかも知れませんが、

 

それでも20匹以上はいたと思います。

 

急いでBの部屋から飛び出て、

そのまま玄関へ直行。

 

二人とも家の外に飛び出して、

 

玄関の方を振り返った時に、

またしても恐怖が・・・

 

玄関の明かりに無数に集る、

蛾の群れ。

 

それを食べに集まったのであろう、

無数の百足とゲジゲジ。

 

もう限界でした。

 

その日、僕とBの二人は、

 

近くに住む会社の先輩の家に

泊まらせてもらいました。

 

次の日、専務に頼み込んで、

 

次に住む場所が見つかるまでは、

専務の家に住むことになりました。

 

Aは、その日の夜に彼女から

子供が出来ている事を告げられていて、

 

そのまま彼女の家に転がり込みました。

 

結局、僕は次に住む場所が

なかなか見つからず、

 

今は事務所の二階の狭い部屋に

寝泊りしています。

 

Bは、あんな思いするくらいなら、

 

高い金を出してでも上等な場所に

住みたいという理由で、

 

海辺の家賃激高のマンションに

一人で住んでいます。

 

今でも時々Bと会うのですが、

彼も僕と一緒で、

 

未だにタンスの裏の隙間が怖くて、

 

タンスと壁の間には、

ガムテープを貼っているそうです。

 

あなたの家はどうですか?

 

たまにはタンスの後ろも

掃除してあげた方がいいですよ。

 

(終)

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