撮影に出向いた公園での異変

テレビカメラ

 

俺は以前、

テレビのアシスタントをやっていた。

 

あるニュースの資料用映像を撮りに、

K市へ行った時の事だ。

 

その日は穏やかな晴天の日。

 

俺とカメラマンの二人での撮影だったので、

何事もなく順調に作業は進んだ。

 

そして午後の4時頃、

一つめの違和感が起きた。

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有り得ないはずの怪奇現象とは・・・

そこは至って普通の小さな公園。

 

でも、何か変だった。

 

異様に肌寒いし、

見られている気がした。

 

(興味本位的な視線ではなく、

睨まれている感じ)

 

それ以外は何も無く、

撮影は進んだ。

 

日も落ちて、

ある田畑の農業用水路を撮影した時、

 

二つ目の違和感と何かが聞こえた、

ような気がした。

 

実際、その場は山に近いから、

木々の揺れる音なんだろうと思った。

 

撮影を始めてからしばらくして、

異変が起きた。

 

バッテリーライトがいきなり落ちた。

 

電球が切れたのか、

バッテリー切れなのかが分からず、

 

すぐに電球をチェックし、

バッテリーを予備に替えた。

 

だが、またライトが消えた。

 

おかしい・・・

 

有り得ないはず・・・

 

連続点灯で30分は点くはずのライトが、

僅か3分で落ちたのだ。

 

確かに局でチェックした時は、

バッテリーはフルの状態だった。

 

なんだか気味が悪くなり、

カメラマンと相談した。

 

「必要な映像は撮ってあるし、

ライトが点かないんじゃあ仕方がない。

 

時間も時間だから局に帰ろう」

 

と局に戻った。

 

機材庫で機材故障の報告書を書こうと思い、

ライトをバッテリーパックに繋げると、

 

なんと点灯したのだ。

 

それも、二つとも。

 

まさに目が点になり、

カメラマンに言うと同じ反応だった。

 

急いでバッテリーのチェックをすると、

 

メインバッテリーは半分まで減っており、

予備に至ってはほぼ満タン状態。

 

あれはなんだろうか・・・と思いつつ、

 

俺は編集室で今日撮影したテープの

チェックをしてみた。

 

日中の映像には何の問題も無かったが、

日が落ちた時の撮影映像に問題があった。

 

ライトが点き、

カメラが用水路に近付くと、

 

いきなりライトが消えた。

 

同時に、

俺とカメラマンの会話が聞こえた。

 

だが、他にも何か聞こえる。

 

木々でも水の音でもない。

 

俺は音量を上げて、

そのライトが消えた場面から再生した。

 

すると、聞こえた。

 

『ぅぅぅ・・・・・ぁぁぁ・・・ぅぅぅ・・・・・・』

 

一瞬にして血の気が引き、

全身に鳥肌が立った。

 

低い声で性別やらは分からなかったが、

人のうめき声だった。

 

有り得ないはず・・・

 

周りに人は居なかったはず・・・

 

居ても声を出さないで下さいと、

お願いはするはずだし・・・

 

だが、その音は現実に入っていた。

 

映像の画面を見ると、

 

ライトが点いていた予備のバッテリーに

替えたライトの光りだ。

 

そして、

同じようなところでまた消えた。

 

すると、うめき声と、小さく・・・

 

『カエレ』

 

映像はそこでお終い。

 

すぐにカメラマンと担当記者、

デスクを呼んで問題映像を見てもらった。

 

※デスク(TV業界用語)

報道部の責任者。

 

皆が絶句だったのは言うまでもなく、

固まってしまった。

 

しばらくしてデスクは、

 

音声は使わないが気味が悪いと言い、

後日に日中で撮影してくる事になった。

 

取材予定を決めた後、

 

「この事は他の人に言わない方がいい」

 

と念を押されて解散した。

 

その後は祟りなどの心配をしたが、

 

特に問題はなく、

体調も良好だった。

 

後日の撮影の時には

記者も時間が取れて同行し、

 

その時に真実を知った。

 

問題が起きたあの場所・・・

 

実は用水路に嵌った高齢の方が

溺死した場所だった。

 

テレビの撮影で極稀に

こういう事はあるらしいが、

 

当事者としては色々な意味で

笑えない出来事だった。

 

(終)

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