生まれて初めて女が怖いと本気で思った
3年前の事だ。
当時、嫁と結婚して5年目だった。
子供も幼稚園へ入り、なんとなく落ち着いた生活になっていた。
その頃、元カノのM子(既婚)から、頻繁に連絡が来るようになる。
俺は振られた方でもあり、彼女の事がすごく好きだったから、M子とのメールのやり取りがとても楽しく感じた。
そして、「会いたい」と言われて有頂天になり、待ち合わせて俺の車でドライブすることになった。
正直、もうHの事しか頭になかった。
おそらくM子も同じだったと思う。
「お互いに今日は独身で・・・」と言って、結婚指輪を外すM子。
俺も外そうと思い、左手薬指の指輪に手をかけた。
・・・が、外れない。
力ずくで外そうとすると、指輪が指を締め付けてきた。
焦る俺、食い込む指輪。
ついには左手薬指が紫色になってアザになってしまい、怖くなった俺はM子に適当な理由をつけて帰宅することにした。
家へ帰ると、いつもは寝ている嫁が起きて待っていた。
時刻は深夜0時。
平静を装って嫁と会話をしながら水を飲むと、嫁が指のアザに気が付いた。
すると満面の笑みで、「今度は指じゃすまないよ」と言った。
本当にこの時は心臓が止まるかと思うほどドキッとした。
それからは少し懲りて、M子とはメールのやり取りだけをしていた。
そして3ヶ月が経った頃、またチャンスが到来した。
「今度はゆっくり話したい」、とM子。
俺は嬉しくなり、前回の指のアザの事などすっかり忘れ、M子とホテルへ。
シャワーを浴びて、ベッドでいちゃいちゃする。
その時、違和感を覚えた。
恐る恐る自分の局部を見ると、アザが出来ている。
しかも手形で・・・。
泣き出すM子を宥めると、服を着て、ホテルを飛び出した。
家に帰ってから局部の痛みが酷くなり、脂汗が出てきた。
もちろん嫁には正直に言えなかったが、「お腹が痛い」と言って夜間救急へ駆け込んだ。
とりあえず痛み止めの薬をもらい、帰宅した。
翌朝はあの痛みが嘘のようで、アザも消えていた。
しかし嫁は笑顔で、「痛みが引いて良かったね。でも次はないと思ってね」と言った。
一瞬にして心が凍った。
そして、生まれて初めて女が怖いと本気で思った。
それ以来、悪さはしていない。
(終)
間違いなく、この男はまたヤる。
女が怖い、と言うより
この男、ウマシカだ…としか思えない