一人暮らしの部屋で聞こえる少女の笑い声

蝶

 

つい昨日の話です。

 

私は一人暮らしなのですが、

 

昨日は仕事が休みだったので、

昼頃までゆっくり寝ていたのです。

 

すると、

なにやら外が騒がしい。

 

なんだろうと思い、

ふっと目を覚ましました。

 

寝起きでボケ~っとしていると、

台所の方から声が聞こえたのです。

 

それは明らかに少女の声で、

 

『キャハ、キャハハ、キャハハハ!

キャハハ、キャハ、キャハハ!』

 

と甲高い声で笑っているのです。

 

「うわぁ・・こえ・・早く消えろ・・」

 

と思いつつ、

3分ほどの時間が過ぎたかと思います。

 

やっと声が消えたかと思った時、

今度は台所がある廊下の方から、

 

ミシッ、ミシッ、ミシッ、ミシッッ!

 

と、足音が段々近づいて来ている

ことに気がつきました。

 

「なんか来た!近くまで来てる!」

 

何故かその時、

 

廊下の方を見なきゃいけない

強迫観念に襲われていましたので、

 

怖かったのですが思い切って

廊下の方を振り向きました。

 

そうしたら、

なにか霧が舞っていて、

 

(タバコの煙のような感じ)

 

廊下だけが幻想的な雰囲気に

包まれていました。

 

その時の頭の中では、

 

「もや消えろ!もや消えろ!」

 

と、念仏のように唱えていたと思います。

 

それからどれくらいの時間が

経ったかは分かりませんが、

 

どうしても気になったので、

廊下の方へ出てみることにしました。

 

するとそこには、

 

一匹の大きな白い蝶が

床で死んでいたのです。

 

前の日にはいませんでしたし、

部屋も閉め切っていましたので、

 

蝶が入れる隙間はなかったと

思っていたのですが・・・

 

少女の笑い声、

迫る足音、

霧、

白い蝶、

 

これらが何を意味するのかは

よく分かりませんが、

 

かなりの恐怖感を覚えました。

 

死んでいた白い蝶は次の日に、

アパート前の花壇に埋葬しました。

 

(終)

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