異常な女に遭遇した深夜の帰り道
深夜に仕事が終わり、
歩いて家に帰っている途中、
変わった女の人に遭遇した。
髪がまるで貞子みたいに長く、
格好も貞子みたいな白い服。
さらには顔を前髪で隠していた。
そんな人が電柱に寄りかかって
辺りを見回している。
俺は見た瞬間、
回れ右をして立ち去ろうとしたら、
その女が異常に速い歩きで俺に近づき、
「私の子供知らない?子供知らない?
ねえ知らない?子供知らない?」
と言ってきた。
俺はめちゃくちゃビビり、
「知らない!知らない!
警察に言え!!」
と喚いても女は、
「子供知らない?」
の一点張り。
俺はもう適当に、
「あっちの1キロ先の公園にいる!」
と叫んだら女は、
「本当に?本当に?」
と言いながら公園に向かった。
俺はその後すぐその場を離れたが、
なんだか女に悪い事したかな・・・
と思いながら歩いていたら、
巡回中のパトカーに遭遇した。
手を挙げ、声も上げて、
パトカーを止めた。
降りてきた警官に先程の事を話し、
精神が壊れた女を保護してやって下さい、
と頼んだ。
警官は俺の話を聞いた後、
凄く真剣な顔で、
「忘れろ。それに関わるな。
明日からは今から言う道で帰れ」
と言って、
地図を書いて俺に渡した。
何この展開?と思っていたら、
もう一人の警官が青ざめた顔で言った。
「二度と今日通った道で夜は帰るな」
俺はその日以来、
警官に教えられた道でしか、
帰らないようにしている。
もし、あの道で夜帰ると、
俺はどうなってしまうのだろうか・・・
警官たちは何を隠しているのだろうか・・・
(終)