床を覗くと小人が見える
これは、私がまだ子供だった頃の話です。
今の私はあまり何かを見たりとかはしませんが、小さい頃はそれなりに霊感がありました。
ちなみに、幼稚園生ぐらいの頃は社宅に住んでいたのですが、ある日、床に正座してグッと上半身だけを前に傾け、ちょうど床を覗き込むようにして見ていたのです。
そしたら、普通はただフローリングしか見えないはずなのに、私はそこに『人がいる』のが見えました。
木で出来た人形のような人で、同じように木で出来たキッチンや机と一緒に、どうやらそこで暮らしているようでした。
どこの床にも住んでいる?
息を潜めてじっと床を見ていたのですが、その人は私に気づいたのか、おもむろに顔を上げようとしました。
なので私は、目が合うのが怖くてパッと床から顔を離して起き上がりました。
なんとなくですが、『この人は小人だ』と確信して、その後も何度もそれを見てみようとしたけれど、もう一度その人を見ることは出来ませんでした。
それから小学校に上がり、我が家は社宅から一戸建てに引っ越しました。
その家の二階には畳の部屋が一室あったのですが、一人でその部屋に入った時、なんとなく昔の体験を思い出して『今なら見える』ような気がしたのです。
そうして昔にやったのと同じように床を覗くと、今度は井草で出来た人が居ました。
やっぱり怖くて目を離してしまったのですが、どうやらその小人たちはその床の材質で出来ているようです。
インターネットで同じような体験をした方がいるのか、その小人の正体は何なのかを調べてみたのですが、結局は何も分かりませんでした。
何かご存じの方がいたら教えていただきたいほどです。
井草の人を見た家は今でも住んでいる家なので、それが良いものなのか悪いものなのかが気になります・・・。
怖くはないのですが、もしかしたらどこの床にも住んでいるのかな、みたいなことは思っています。
(終)