集合写真の中のその女の子だけをずっと
これは、私の子供たちがまだ小さかった頃の話です。
子供は2人いますが、仮に名前を当時9歳の長女をユイ、3歳の次女をミカとします。
それは、長女ユイの幼稚園時代の集合写真を見ていた時のことでした。
その写真は、たまたまアルバムに入れ忘れたものだったのですが、それを何気なくミカに見せました。
すると、ミカがずっとある女の子を指差しているのです。
クラスは28人で、女の子も14人くらいはいるのですが、何故かその女の子だけをずっと指差すのです。
たまたま気になったのかな?と不思議に思いながらも、その写真は私の部屋の机の上にぽんと置いておきました。
ちなみに、ユイとミカは6歳離れているので、ミカがユイの幼稚園時代のお友達を知ることはまずあり得ません。
そんなことがあってから何日か経ち、ジジとババが家へ遊びに来ました。
その時に、なんとなくあの写真の話をしました。
そして、その写真をミカの前に持って来て、「女の子をもう一度指差して」とお願いしてみました。
最初は「イヤ」と拒否をして、なかなか指差してくれませんでした。
しかし、私が何度も言うと渋々指を差してくれたのですが、やはりこの前と同じ女の子の顔を、今度はグリグリとしながら指差しました。
嫌なのに無理強いしたからそんな指し方をしたのかな?と思った矢先、ミカが慌ててリビングと洗面台に繋がる扉を閉めにいったのです。
そして、「くるよ」と言うのです。
ミカの言葉の意味がわからず一瞬混乱した私は、「何がくるの?」と聞いてみると、「おんなのこ」と答えました。
何か嫌な感じがしたので、私は話題を変えて写真をアルバムの中に入れ、もう見ないようにしました。
その数日後、ミカとお風呂に入っている時でした。
私が髪を洗い終えて目を開けると、ミカがお風呂の端を指差して「いるよ」と言うのです。
当然、その空間には何もいません。
私は物凄く怖くなり、ミカとすぐにお風呂から出ました。
ミカはその後も2~3回ほど、お風呂場の端を指差すことがありました。
なので、その辺りに盛り塩を置いてみたところ、それ以降は指差すことはなくなりました。
私は幽霊など見えないし、見たこともないので、霊のような何かがいたのかどうかはわかりません。
それにミカも大きくなり、その当時の記憶がないようなので、真意を聞くこともできません。
何かの偶然かもしれないし、単なる子供の戯言だったのだろうと私は思っています。
ですが…ただ気がかりなのは、ミカが指差していた女の子、その子のお母さんと全く連絡が取れないことです。
(終)