子供たちが泣き叫んでしまう部屋
これは、子供たちには何か不気味なものが見えていたのかな?という話。
姪が小さい頃、うちに遊びに来たらいつも『泣き叫ぶ部屋』があった。
特に気にしていなかったが、数年が経ち、その下に生まれた甥もやはりその部屋でだけ泣き叫ぶ。
共通しているのは、二人とも天井を見たり指差して泣き叫ぶ事だった。
その晩に姉から、小さい頃に行った福岡旅行の話を聞かれた。
旅行自体はうろ覚えだが、なぜか泊まったホテルは部屋番号まで記憶している。
「家族にも見せず黙ってたけど、あの部屋にはずっとこの写真を隠してた」。
姉はそう言うと、写真の束を持ってきた。
それはホテルで撮った写真だった。
壁にもたれかかる母の右肩を、後ろからおっさんの手が掴んでいる。
他にも光が写り込んでいたりと、おかしな写真が沢山あった。
それまで毎年のように家族に右半身のケガや病気が多かったが、写真を供養してもらってからはトラブルが無くなったのは偶然なんだろうか。
ちなみにインターネットで確認してみたら、そのホテルは今も営業している。
写真は数年のあいだ写経に包んで置いてあったが、最終的には引き取ってもらった。
(終)