砂浜に埋まっていた正体不明の構造物
これは、石じじいの話です。
じじいは石を求めて海岸も歩きました。
海岸には石が露出していて、面白い化石を探すには都合が良かったからです。
岩石で挟まれた砂浜を歩いていた時に、砂に埋まった『金属の構造物』を見つけたそうです。
それは真っ赤に錆びており、かなり大きなものでした。
なにか船体の一部のように見えたそうです。
外装面と思われる部分は曲面で、それが壊れて内部が見えていました。
内部には見たことのない部品がぎっしりと詰まっていたそうです。
また、外装の一部には“関節のような可動部”があったとか。
じじいの表現では「カニの足」のような構造だったと。
大きさは砂から露出している部分だけで“長さ5メートル四方、高さは2メートル以上あって、表面には何の表示も無く、文字すら書かれていなかった”そうです。
漂着したのか?と思ったそうですが、水に浮くようなものには見えなかったそうです。
他の部分が壊れて波でさらわれたのか?とも。
じじいは、「屑鉄で売ったらお金になったかもしれんね。そやけど、あがいな大きなもんを持って帰れるかい」と言っていました。
今考えると、ラピュタのロボット兵のようですね。
実は、じじいはこの機械のような物の一部を拾ってきていました。
それを今、私が持っているので以下に載せておきます。
じじいが死んだ時、じじいの物だと言って私に『一つの箱』を大人たちがくれました。
その中に色々なものが入っていたのですが、これはそのアイテムの一つです。
余談になりますが、それぞれのアイテムには半紙に墨で書いたじじいの説明が添えてありました。
(終)