【特集】2020年・怖い話ランキング20
2020年(令和2年)1月~12月の期間に投稿した怖い話の中で、閲覧数の多かったものを厳選して『20話』ピックアップしました。
お暇な時などに、ごゆっくりと怖い世界をお楽しみください。
本年も引き続き『怖話ノ館(こわばなのやかた)』をどうぞよろしくお願い致します。
2020年・怖い話ランキング20
この世には『牛の首』という恐ろしい怪談がある。この話は江戸時代にはすでに知られていたようで、寛永年間に書かれた庶民の日記にすでにその名は出ている。とはいえ、そこに記されているのは『牛の首』という怪談の名前だけで、話の内容は『今日、牛の首という怪談を聞いたが…
これは、夢の内容。そこは山奥で、池の横にある別荘のような所のウッドデッキにいると、すぐ近くで飛行機が墜落した。凄い振動と衝撃と爆発音がして、しばらく動けない。ふと池を見ると何人も亡くなっているようで、機体の破片や荷物などと一緒に人が浮かんでいる。建物の中に入って人を呼び…
これは、死んだ祖父さんが法事で酔っ払った時に聞いた話。祖父さんは若い頃、鹿児島で漁師をしていた。ベテラン漁師の船に乗せてもらって働き、毎日のように漁に出ていた。その辺りの海は無人島が点在していて、その中に『昔々海賊が財宝を隠した』という伝説が残る島があったらしい…
私の父方の祖父は今年で齢90近くになるが、今でも現役の漁師だ。年に一度、盆に九州の祖父の家へ遊びに行った時は、祖父と一緒に沖へ出て釣りをするのが今でも恒例になっている。これは私が小学5年の夏休みに、初めて祖父の家へ遊びに行った時のこと。釣りをしようと…
僕の町内には『アーちゃん』という人が住んでいた。アーちゃんは年中、肌色の肌着と肌色のモモヒキを身に付け、パンクしてホイールの歪んだ自転車で町を走り回る、人畜無害の怪人だ。年齢は僕が小学生の時で60~70歳くらいで、試合後のボクサーみたいな顔をしている。いつも酔っ払っているような…
先日、親父が物置の整理をしていた。一日中あさっていたかと思えば、夕方には居間にガラクタの山を積み上げて昔を懐かしんでいた。古着やらレコードやら陶人形やら。そこで俺は、ふと一枚の写真が目についた。そこにはソファに座った若かりし頃の親父と若い白人女性が写っていた…
これは、母に「夏だし何か怖い話でもない?」と聞いてみた時の話。母は「うーん」と少し考えた後で、思い出したかのように「怖い話というか、不思議な話ならあるよ」と言ったので、どんな話?と聞いてみた。それにしても、まさか私の話とは思わなかったから少し驚いた…
これは初夏の連休にワクワクしながら、一人で自炊しながらの車中泊旅行へ向かった時の話。クワガタ好きの俺は、大きなオオクワガタが捕れることで有名な『十和田湖』に行った。湖は透明度が高く、暑かったこともあって湖に飛び込んだ。かなり深い湖底を見た時はパニックになって溺れるところだったが…
これは、仲間内で楽しむサバイバルゲームでの話。以前、人家から相当離れた山中で、数回の夜戦を行った。月明かりがとても明るい、スナイパー好みの夜だった。数戦終えて小さな空き地で小休止していると、そこいらに居そうな中型犬が現れた。そいつは10メートルくらい距離を置いて近づこうとしないが…
これは、我が家に棲んでいるお化けの話。今日の夕方、もうすぐ6歳になる娘を保育園に迎えに行った。そして家に帰る車の中で、娘にこんなことを聞かれた。「ねぇ、おばけとかゆうれいとか本当にいないの?」。「いないよ。お化けなんていない。作り話か寝ぼけた人の見間違いだよ」。俺はいつも通りにそう答えたが…
これは、おじいさんと奥さんの二人でやっている古本屋でアルバイトをしていた時の不思議な話。その店では、漫画本や単行本よりも、古書や紐で製本されているような本を主に取り扱っていた。そして、これは『古書あるある』とでもいうのか、業界人ならわりと経験していることで、仕入れたはず本の冊数が…
私には年の離れた弟がいる。そして、弟がまだ3歳くらい時に母が亡くなった。それからは父と私と弟と祖母の4人で一軒家に暮らしていたんだけれど、二回忌を迎えた頃に弟が、「家の中にお母さんがいる」と言い出した。「いつ見るの?」と聞くと、「夜中に目が覚めたら枕元に立っていたり…
これは、怖いのかどうかがよく分からなくて今でもモヤモヤしている話。ウチの地域の子供たちは、必ずあることを親から言い聞かされている。それは、『夢の中に箱が出てきても絶対に開けてはダメだよ。その箱を開けたらとても恐ろしいことが起こるから』と。大学生の頃、地域の伝承について調べる機会があり…
これは、私の叔母が大型ショッピングモールで清掃のパートをしていた時の話。当時、オープンから1年ほど経ってはいたものの、建物も設備もまだまだ綺麗で、田舎のわりに繁盛していた。しかし、そこに勤める従業員の間で不穏な噂が流れ出した。それは、『2階のトイレに女の幽霊が出る』というものだった…
医療とは、生と死の狭間。とりわけ病院にまつわる怪異の数は知れず・・・。このお話は残念ながら病院が舞台ではございません。病院の傍に佇む『町の薬局』にて起きた出来事にございます。話の主人公は、薬局に勤務する薬剤師の上野さん。来局する患者さんも落ち着き、子供たちが読んでいた絵本を…
これは、大学時代に友人から聞いた体験談です。私の大学は結構な田舎でして、羽を伸ばす所がこれといってありません。そういう事情に加え、学生の多くが車を所有していることもあり、必然と連れ立ってドライブに行くことが遊びの一つになっていました。その夜も、私の仲間たちは隣町の峠道まで出かけたそうです…
これは、スマホで撮った写真にまつわる奇妙な話。ある日の会社でのこと。普段から俺のことを良くしてくれている釣り好きの上司は、年に1回ほど離島遠征に誘ってくれていた。その日も、遠征から戻って会社で釣果を披露し、仲間内で「これは凄いな」等と話していた。そして俺が撮った写真の中に…
これは、実際に『自殺を決行』しようとした直前に起きた話。小さいながら、夫婦で防犯設備の株式会社を立ち上げて8期程が経ち、地方銀行の大型融資も審査が通って順調に利益を伸ばしている中で、専務取締役を任せていた妻が事故死した。それからは仕事に身が入らなくなり、自分でも間違っていると…
これは、ある一匹の犬とうちの家族の話。俺のじいさんの家には犬がいた。柴犬の雑種だと思うが、真っ白な綺麗な毛並みの犬だった。名前は『コロ』。コロは町中の野良犬の大ボスで、コロの後ろには5~9匹、多い時は14~15匹の犬が付いて回っていた。それくらい凄い犬だった。そんな大ボスが何故じいさんの家にいたのか…
これは、10年くらい前にあった話になります。叔母に聞いたのを思い出したので書いてみます。従姉(叔母の娘)が小4の時、急に何も食べられなくなりました。食欲が無い、というわけではなく、食べ物を前にして口が開かないようでした。元々食欲旺盛な子でもなかったけれど、好き嫌いはしないし…
(終)