N村さん連続死亡の怪

墓地

 

これは、友達のテルオ君(仮名)から聞いた話と、私の体験をいくつかに分けてお話します。

 

まずはテルオ君の話から。

 

テルオ君は電気工事関係の仕事をしています。

 

ある日、別の課のN村君が高所作業中の事故で亡くなりました。

 

テルオ君は彼と同期入社ということもあり面識もあったので、葬式に参列しました。

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またN村さんなのよ・・・

それから1週間ほどしたある日、今度は隣の課のN村課長が亡くなりました。

 

病死ということでしたが、急死だったそうです。

 

テルオ君は面識がなかったのと礼服をクリーニングに出したままだったので、葬式には参列しませんでした。

 

この事態に仲間内では、「N村ばかり立て続けだし、近日もう一人ぐらいN村が死ぬんじゃないか?」という話をしたそうですが、近くにはもうN村という名前の人はいませんでした。

 

それから数日後、また葬式があったそうです。

 

今度は同じ課の事務の女性で、交通事故により亡くなりました。

 

でも、その女性はU田さんといい、N村ではありませんでした。

 

同じ課ということもあり、テルオ君も葬式に参列したそうです。

 

その葬儀会場でテルオ君は驚きました。

 

なぜなら『N村家』となっていたからです。

 

その女性は結婚してU田という姓になって働いていましたが、離婚をしてN村に戻したのですが、会社では便宜上U田のままにしておいたそうです。

 

そしてテルオ君は、同じく参列していた近所と思われる人たちの会話を聞いて驚きました。

 

「最近葬式が多くてねぇ。それが変で、またN村さんなのよ・・・」

 

テルオ君は、ここ最近で一体何人のN村が死んでいるんだ?と思ったそうです。

 

テルオ君がこのN村さん連続死亡の話を私にした時、テルオ君は酷い状態でした。

 

右半身が擦り傷だらけで、脛には私がこれまで見たこともない大きなカサブタがありました。

 

聞けば、通勤帰宅途中でバイクでこけたらしいのです。

 

私はテルオ君が話したN村さんのことより、こちらの話の方が怖く感じました。

 

バイクに乗っていた彼の話はこうです。

 

「・・・ほんで、この話をお前(私)にどない話したろかて思てたんや。

 

ほんで、ちょっと考えてて我に返ったら、えらいのろのろ走ってる気がしてな。

 

景色がゆっくり流れてて、あっ、いかんいかん、つい上の空で運転してた、と思ってアクセル空けたんや。

 

ほんで、なにげなしにメーター見たんや。

 

そんだら120出てるやん!と思った瞬間、ぶわっ!て景色が流れてな、焦ってしもた。

 

パニックや!

 

信号待ちしてる車のケツも近づいてくるし、なんとか止まろうとしてブレーキかけたら、ロックしてザザザーッといってもうた」

 

私はなんとなく『呪い?』と思って怖かったのです。

 

バックミラーに何かが映るとかではなくて、こういう形の呪いがあるのかなと思いました。

 

最後に、テルオ君の話に関しての私の体験です。

 

私は怖い話が好きで、よく聞いたり話したりします。

 

当時付き合っていた相手も怪談が好きで、よく他所で仕入れた怖い話を披露し合っていました。

 

その夜もドライブをしながら彼の仕入れた怖い話を聞いていました。

 

一通り聞いた後で、今度は私がテルオ君に聞いた話をしてやろうと思い、「私の怖い話も聞いてよ」と言った瞬間、車のエンジンが止まりました。

 

惰性で何とか路肩に止めて色々試したのですが、エンジンがかかりません。

 

仕方なくJAFを呼んで見てもらい、後日に解決しましたが、原因は分かりませんでした。

 

結局、私はテルオ君の話を彼にしませんでした。

 

(終)

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