初めて会った女性に御札を貰ってから
これは、仕事先のパートの安西さんから聞いた話。※名前は仮名
安西さんは30歳ぐらいの女性で、かなりの占い好き。
・・・といっても宗教のようにハマり込んでいるわけではなく、あくまでも人より好きというぐらい。
ある日のこと、安西さんはスピリチュアル的な集まりに出かけたんだそうな。
※スピリチュアル|参考
霊的なこと。目に見えない世界のこと。
どんな集まりかは詳しく聞いていないが、怪しいものではないとのこと。
そこで初めて知り合ったある女性が「とてもご利益があるから」と『御札』を配っていて、安西さんもそれを貰った。
御札が何処のものかは分からなかったが、その時の安西さんはその女性の好意を純粋に喜んだ。
しかしそれから数日、どうにも体調がすぐれない。
病院へ行くほどではないが、体がだるく、気分が落ち込んで仕方ない。
そんな状況に嫌気がさし、安西さんは気分転換を兼ねて懇意にしている霊能者に会いに行った。
その霊能者は安西さんと暫し話をした後、こう言ったんだそうな。
「最近、御札を貰ったね?すぐ捨てなさい。それを売っていたところはもう潰れて廃墟になっているよ」
安西さんが霊能者に従って御札を捨てると、次第に体調は良くなった。
ちなみに、御札をくれた女性はあれ以来、集まりには姿を見せなくなった。
ただその女性の様子は、とても悪意があるようには見えなかったという。
(終)