辞めた会社の社長の夢を立て続けに見た
これは、自身で怖い体験をした時の話。
俺は零細企業に勤めていたが、家業を継ぐ為に辞めざるを得なかった。
その後、その会社は倒産してしまった。
それから10年が過ぎた頃から、その会社の社長だった人の夢を立て続けに見た。
社長が、「帰って来てくれ。もう一回一緒に仕事をしよう」というものだった。
少し気になって連絡してみると、末期ガンで余命がないという。
俺は慌ててお見舞いに行った。
それからすぐに社長は亡くなってしまったが、家族の話だと俺が帰って来てくれることをずっと願っていたらしい。
亡くなる直前にも、俺に会えたことを喜んでくれていたと聞いた。
その一週間後、また夢を見た。
社長に、「一緒に来てくれよ。寂しいんだ」と手を引っ張られた。
俺は夢の中で必死に手を振り解いたが、強く引っ張られたところで目が覚めた。
すると、真冬だというのに布団から2メートルも離れたところにいた。
ちなみに、寝相はすこぶる良い方だ。
そして心臓が苦しかった。
あの時もし気を許していたら、俺はそのまま死んでいたのかもしれない。
(終)
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