うちのおふくろの不思議な予知能力
これは、怖いというよりも「マジかよっ!」と絶句した、不思議で少し切ない話。
うちのおふくろには、どうやら霊感のようなものがあるようだ。
おふくろは看護師をしているのだが、よく夜勤で変なものに出くわしたり、運転中に変なものを憑れて来たりするという。
もちろん俺はその類は見えない方なのだが、稀に『・・・ここ何か変だな?』と思っていると、「今何かいたね」と言ってくる。
俺は何も口にしていないのにもかかわらずだ。
おふくろの霊感的なエピソードは他にも多々ある。
おふくろが見た夢
田舎のじいちゃんが風呂場で脳溢血で死んだ日に、「何か嫌な予感がする・・・」と言っては俺の妹を連れて行ってみたところ、その日のうちに倒れていたじいちゃんを発見したことも。
なので俺は、『おふくろの勘の良さは本物なんじゃないかな?』と思っている。
それに、つい先日に初めて知ったことがある。
両親の子供達、つまり長男の俺と2人の妹は誰も知らなかったのだが、実は俺の一つ上には兄がいたという。
ただ、生まれる前に流産したようで、それまで俺達には黙っていたそうな。
おふくろはその兄が生まれる1年くらい前に、『自分のお腹の上で小人くらいの子供がはしゃいでいる夢』を見て、自分の産む子供の数を知ったという。
その子供の数が、ちょうど3人。
6歳くらいの男の子と、3歳くらいの女の子と、女の子の赤ちゃんだったそうな。
ちょうど俺達3人兄妹と年齢がぴったりだった。
しかも、その夢の中ではもう一人男の子がいたが、お腹から降りてどこかへ行ってしまったらしい。
もしかすると、その子が生まれてこれなかった俺の兄だったのかもしれない。
そして先週、結婚した上の妹が実家に帰って来た時の会話がこうだった。
母「あの子、女の子を産むね」
俺「はあ?なんで?」
母「お腹で抱っこちゃんみたいにしがみついている小さい女の子がいる」
その2ヵ月後、妹の妊娠が発覚した。
結果、本当に姪っ子だった。
(終)