廃神社でゆらゆら揺れる白とオレンジの塊

藁人形

 

これは先日、友達とサバゲーに行った時の恐怖体験談。

 

ラスト間際で急に雨が降り出したのと、足を滑らせて斜面を転がり落ちたせいで、現在地を見失い、フィールドから出てしまい遭難してしまった。

 

もちろん携帯も持っていたが、如何せん山の中で電波が入らなくて役立たずで、声を出しながら尾根を登り、ひたすら道を探していた。

 

その時に獣道を見つけ、とりあえずその道を下って歩いて行ったのだが、どんどん道は細くなっていき、長らく人が使っていない感じだった。

 

仕方なく元の場所へ戻るために引き返したのだが、ここで一つ失敗をしていた。

 

途中で道が分かれており、どちらから下りて来たのかわからなくなったのだ。

 

降り続く雨と日が暮れ始めたせいか、下りていた時には気がつかなかったらしい。

 

ナイフでマーキングをしながら歩けば良かったのだが、疲労と焦りでそこまで気が回らなかった。

 

とりあえずそこでマーキングをして右の道に進むと、偶然にも神社のような建物の裏手に出れた。

 

助かったと思い、雨宿りをしようと軒下へ走っていった。

 

そこで抱えていた装備を全て降ろし、少し休憩してから周囲をぐるっと回ってみたところ、ここも人は長らく来ていない感じで朽ち始めていた。

 

ただ階段の先にはさっきまでの獣道よりも全然マシな道があり、そこを通って行けばひとまず人里には下りれるだろうと安心して、もう少しだけ休憩することに。

 

サバゲーのラストで遭難したので、疲れが酷く、雨で体力も消耗していたので、お賽銭箱の後ろの階段を軽く掃除してから、お賽銭を入れて休ませてもらうことにした。

 

少し寝転がっているうちにウトウトしてしまい、気づけばすっかり夜も深くなっていた。

 

この時にはもう雨は止んでいたらしく、辺りは虫の鳴き声だけが響いていた。

 

そんな中をぼーっとしていたら、ゆらゆらと揺れる白い塊とオレンジの塊が見えた。

 

最初は寝ぼけているのだろうと思ったが、次第に何かおかしいと感じて意識が覚醒し始め、もう一度よく確認したところ、それは『人間の女』だった。

 

白装束姿で頭にロウソクを括り付け、それこそ八つ墓村状態の女だった。

 

もうこの段階で、恐怖を感じて動けない。

 

幸いにも、女はこちらの存在に気がついていないらしく、何やらウロウロと歩き回っている。

 

しばらくすると立ち止まり、おそらく元々は御神木であろう大きな木に向かって藁人形を打ち付け始めた。

 

呪う相手であろう「男女の名前」と、それらと交互に「死ねー!」と叫びながら、狂ったように釘を打ち付けまくっている。

 

その様子を見ながら、じっと息を殺して気づかれないようにただただ祈っていた。

 

およそ1時間そうやって隠れていたが、ようやく終わったのか、女はそそくさと帰っていった。

 

女が吐き続けた怨念と呪詛の言葉は、今思い出しても背筋が凍る…。

 

女が立ち去った後、恐怖心もありながら興味本位で御神木を見てみたところ、わりと新しい藁人形が無数に打ち付けてあった。

 

その全てに同じ名前が書かれていたが、よく見ると、釘だけではなく刃物で付けたような痕もあり、木の下には使用したであろうナイフと包丁が落ちていた。

 

その後、道を下ってようやくコンビニを見つけ、そこで電話を借りて友達と連絡を取って無事に帰れたが、“もしあの時あの女に見つかっていたら”と思うと、かなり怖い。

 

何よりも、あれだけ人を呪う執念と怨念、あの人には一体何があったんだろう…。

 

(終)

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