幽霊に勘違いされて恨まれる
これは、ある日の夜中に遭遇してしまった出来事。
田舎の田んぼ道を車で走っていたら、前方に“倒れているバイクと血まみれの男性”を発見した。
一目見て、これはヤバいという状況。
車を止め、急いで駆け寄って声をかけたところ、目をうっすらと見開いて、またすぐに閉じてしまった。
すぐさま私は救急車を呼び、待っている間にもう一度声をかけると、「な・・・ん・・・・・・で・・・」と言ったきり、その後は全く反応しなかった。
たぶん自分が事故を起こして転んだことで、何かわからないまま息を引き取ってしまったのだろう。
その後、私は警察に色々と聞かれたりして、正直なところ、あんな現場に出くわしてしまって運が悪いなぁと思いながら帰宅し、布団に入った。
そして眠っていると妙に喉が渇いて起きてしまい、水を飲んでいる時だった。
耳元で、「お前がひいたのか?」と言う声が聞こえた。
どうやら私が車でバイクを撥ねたと勘違いしているらしい。
そんなことよりも、とにかく怖くなった。
外に出て、公園でどうすべきか考えた。
家には戻りたくない。
怖い。
友達に相談してみようか。
幽霊に勘違いされて恨まれているんだけどさぁ…。
そんな話をしても、頭おかしいんじゃないの?と言われるのがオチだ。
仕方なく、その日は車で眠ることに。
ただ車の中に入った瞬間、何かイヤな空気を感じた。
そしてまた、「この車ではねたの?」と耳元で囁く声が。
本当に怖い。
何も関係ない私が、どうしてこんな目に遭わなければいけないの。
(終)