半信半疑だった霊の存在を確信
霊の存在を確信した話。
後期中間テストを控えた
3週間ほど前、
母親が死体の第一発見者に
なってしまった。
家の近くのどぶ川で沈んでいるのを
発見したらしい。
母親は仕事場へ向かう途中だったため、
近所の人に警察へ連絡してもらい、
自分は職場に向かったらしい。
結局、なぜそこで死んだのか等の、
一切の情報は知らなかったそうだ。
それから3週間が経ち、
俺は中間テストの真っ最中。
成績がヤバイ事もあって
遅くまで起きていたのだが、
大して勉強する気にならない。
ほとんど諦めの境地で寝る事にした。
そしてPCの電源を切り、
明日に備えようと目を閉じた。
それからすぐの事だった。
部屋の中で足音がする・・・。
部屋は離れで、
そんなに広くなかったのだが、
小走りでさっと近づいて来るような
感じだった。
うわ・・・来ちゃったよ・・・
みたいな感じになったが、
意外と冷静に物事を考えられたと思う。
霊は冷静に立っている感じで、
不思議と嫌な感じはしなかった。
そして次の日の夜。
昨日の事を気にはしていたが、
それほど心配は無かった。
しかし、
昨日のようにPCの電源を切り、
目を閉じてしばらくすると、
離れの外で足音が聞こえる・・・。
母屋と離れとの間は
2メートルくらいしかなく、
ほとんど繋がってるくらいなので、
他人が入り込むような事は
考えられない。
その時も幽霊だと分かりながらも、
半信半疑みたいな微妙な感情でいた。
しかし、
それからも足音は聞こえ、
終には隣の物置の扉を
開け閉めする音まで聞こえる。
ここまでくると、
猫だとかの動物だという考えは
消さざるを得ない。
その日も不思議な気持ちのまま
床についた。
次の日、
遂に俺は母親に、
その話を打ち明けてみた。
母親はそういう話を結構信じる方で、
真剣に聞いてくれた。
母親自身、あの死体の事も
頭にあったのだろう。
そうして話した結果、
母親の知り合いに電話することにした。
以前にも姉の守護霊を
見たりしてくれた人で、
その人には本当に見えてるんだなぁと、
感心した覚えがある人だ。
その人に電話をかけ、
一部始終を話してみた。
すると、
40代くらいの身なりの綺麗な
男性が見えると言う。
俺と母親は驚いた。
なんというか、
テレビに出てくる霊能力者みたいに、
何か聞いたりとか、
何か考えたりとかするのではなく、
ぱっとその霊の特徴を言い放ったのだ。
続いてその人は、
「最近、あなたの周りの人が
亡くなった覚えはない?」
と聞いてきた。
俺も母親も、
先日発見した男性に、
気がいっている。
母親が死体を発見した事を告げると、
霊の特徴みたいなのを
詳しく教えてくれた。
すると、
その死体の状態と一致しており、
俺は間違いないなと確信した。
その霊能力者の人が言うには、
母親がその後の事を何も知らなくて
気になっていたので、
霊がうちに来てしまったのではないか、
という。
たしかに母親も、
ずっと気になってはいたそうだ。
とにかく、
その亡くなった人のその後を
聞いてみた方がいい、
と言われたので、
警察に電話をしたり、
通報してもらった近所の人に聞いてみた。
とりあえず葬儀などは
きちんと行なわれている、
と聞いて安心した。
悪い霊ではないようなので、
御祓いなどには行かず、
盛り塩をしておけば大丈夫だと言われた。
実際、盛り塩をしてからは、
霊現象も無くなりました。
今まで半信半疑だった存在が
実際にいる事が分かって、
なんだかスッキリした感じです。
(終)