壁に付いていた白い手形
小学生の頃、学校で
先生が怖い話をしてくれた。
よくある話で、
溺れた少年が偶然写った写真に、
沢山の白い手が・・・って。
低学年だった俺は、
それなりにビビりつつ聞いた。
数日後、
家で妹と遊んでたら、
親が怒って呼んでいる。
「誰だ、こんな事したの!」
見ると、階段のとこの土壁に、
白い手形が付いている。
壁に向かって、
両手を突き出した感じ。
「一体、何を付けたんだ!」
と親は言うが、
俺は覚えがないし、
妹も知らないという。
とりあえずその場は
怒られて収まったが、
あとから気になって、
自分の手と手形を合わせてみた。
・・・合わない。
俺の手より大きい。
当然、妹よりも。
当時はそれ以上
気にしなかったけど、
今思うと気味が悪い。
関係あるか分からないけど、
夜トイレに起きると、
その階段だけ電気が
点きっぱなしのことがよくあった。
手形は数年残ってたけど、
今はもう見えない。
(終)
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