心霊トンネル

これは、私が大学生の時の恐怖体験です。

 

当時入っていたサークルの親しい仲間5人で

ドライブに出掛けました。

 

メンバーは、

男性3人と女性2人です。

 

観光地で美味しい食べ物を食べて、しっかり観光も楽しみ、

すごく楽しい気分だったのを覚えています。

 

観光地には、自殺スポットで有名な某所も含まれていたものの、

面白半分で観光していました。

 

その自殺スポットで有名な場所の近くには、

神社を祭った小さな小島があります。

 

小島の周りをぐるっと散策し、

きれいな景色も堪能しました。

 

遠くまでのドライブだったので途中で仮眠を取りつつ、

翌朝に自宅に着くようにとゆっくり帰っていました。

 

仲間のうちの1人のK君が、

「帰り道にちょっと寄り道して行くと

霊が出ることで有名な心霊トンネルがあるから、

そこを通って帰ろう」

と、提案してきました。

 

昼間は自殺スポットで、夜は心霊トンネルなんて、

怖いけれど楽しそうと全員一致で寄り道することにしました。

 

サービスエリアでしばし仮眠し、

真夜中にそのトンネルを通りました。

 

時間は、霊が一番よく出ると言われている

深夜の2時頃です。

 

「本当に霊が出たらどうする?」

と、皆で色々な想像をしながらトンネルに向かいます。

 

そのトンネル、

すぐ近くに新しいトンネルが出来てからは、

 

すっかり寂れて、地元の人か心霊スポットに来る人

くらいしかいないそうです。

 

トンネルの前で一度停車し、

それからあえてゆっくりと徐行しながら

トンネルを進み始めました。

 

少しでも長く恐怖心を味わうためです。

 

最初は皆誰も喋らずに、

周囲をキョロキョロ見ながら進んでいましたが、

 

トンネルを半分以上過ぎてくると、

「何も出ないな」と気が緩み、次第に話し始めました。

 

「せっかく来たのに、何もなくてつまらないね」

などと、完全に油断していました。

 

その時、

トンネルに入るのを提案したK君の顔が急にこわばり、

何かが窓の外にいたと言うのです。

 

全員でK君の指差す方を見るけれど何もなく、

てっきりK君が脅しているのだと思いました。

 

しかし、K君の顔がさらに恐怖で歪み、

声にならない声を上げて叫びました。

 

すると、車を外から誰かが揺らしているかのように、

急に揺れ出したのです。

 

全員恐怖で叫びだし、早く車を走らせてと叫びながら、

スピードを上げてトンネルを出ました。

 

車が走り出してからは、

車が揺られることもなく無事にトンネルを出て、

 

そこからしばらく走って、

ようやくコンビニのある町に辿り着きました。

 

そこで、車を止めてほっと一息つき、

恐る恐るK君に何を見たのかと聞くと、

 

「窓の外に顔が少し陥没した男性の顔が見えた」

と、言うのです。

 

さらに、コンビニで落ち着いて

飲み物でも買おうかと車から降りると、

 

K君が男性を見たという場所の車のボディーが、

びしょびしょに濡れていました。

 

さらに、大人の男性の大きさの手形のようなシミが、

幾つも付いていて、凍りついてしまいました。

 

後日知ったのですが、

私たちが観光で出かけた神社を祭った小島も、

実は有名な心霊スポットだったようです。

 

島には周る方向があり、

逆に周ると呪われてしまうと言われていたようです。

 

おそらく私たちは、

海に飛び込んで自殺した男性の霊を連れたまま、

心霊トンネルに入ってしまったようです。

 

それ以降は特に何もありませんが、

あの男性の霊は今も、

心霊トンネルに置いてきぼりにされてしまったのかも知れません。

 

(終)

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