トラックの無線に入ってきた声
俺は、トラック運転手だった。
いつものように、
山奥までの道のり。
しかし、その日だけは、
何かいつもと違うのだ。
上司から無線に
連絡が来た。
「今日、○○線で事故があったそうだ。
気をつけろよ、じゃぁな」
それは、今日通る道。
俺が通らなくはならない
道だった。
正直言って、
俺は霊感が強い。
その道に差し掛かった。
何も無いだろうと、
思い切って通り過ぎた。
やはり何も起こらなかった。
ほっ・・・。
俺は、そのままアクセルを
踏んで進んだ。
そして、上司に
連絡してみることにした。
「事故現場は何も起こらなくて
良かったっすよ。ほん・・・」
プチッ・・・
いきなり通信が途絶えた。
『俺の話すんなよ・・・』
「お~い、どうしたぁ?」
そして上司の声が戻った。
そう、それは聞き覚えのない声・・・。
とても悲しい声だった・・・。
それっきり、俺はトラックを
運転出来なくなった。
(終)
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