ガソリンスタンドでの事故
3年前にガソリンスタンドへ行った時の話。
あの痛ましい事故は今でも鮮明に覚えている。
俺がガソリンを入れている最中、
隣に空気が全然入ってないタイヤを履いた
トラックが止まった。
どうやら空気圧の点検を怠っていた為に
減っている様だった。
俺は車が汚れていたので、洗車を頼みつつ
店内に入ってしばらく外を眺めてた。
店内からはピット作業をしている所が見れたので、
俺はさっきのトラックがピットに入って来たので、
ぼんやりと作業を見てた。
それで、新しいバイトだと思われる
可愛い茶髪の女の子が、先輩の指導を仰ぎながら
黙々と作業の手伝いをしていた。
作業員が空気の入っていないタイヤを外し、
女の子が空気圧を入れる様に頼まれたところで
痛ましい事故は起こった。
女の子が5分経ってもずっと空気を入れ続けているので、
俺は「トラックのタイヤは空気入れるの大変なんだろうな~。
女の子なのに大変だな。」
と思った瞬間、
「ズドン!!」
という爆音と共に、女の子の頭が弾けて
赤い血の霧が舞い上がった。
同時に店内の窓ガラスをブチ破って
何か光る物が突っ込んできた。
店長が、「救急車呼べ!!
一旦店閉めろ!!
誰かタオルもってこい!!
〇〇(女の子の名前)の体を抑えてろ!!
(激しく痙攣して、のたうち回ってた)」
と動転し、
俺は何が起こったのか確かめようと、
店内に飛び込んできた物を探し出した。
それはトラックのホイールだった。
大きさは直径1メートルはあったと思う。
女の子は頭が半分吹っ飛んでいて、
ピクピク痙攣しながら「うぅ~、ふぅ~」と
細い息をしていたが、
俺は彼女がもう死ぬだろうとわかった。
何故なら、血にまみれた脳が
見えていたのだ。
彼女が自分の手で脳みそを抑えていた光景は
今でも忘れられない。
救急車が到着する間もなく、
白目を剥いたまま彼女は死んでしまった。
(終)