お婆ちゃんと人形

 

人形がとっても大好きな、

お婆ちゃんがいたそうな。

 

お婆ちゃんには身寄りもなく、

 

一体の人形だけが友達であり、

家族であった。

 

いつものように家事をしながら、

 

一点を見つめて座り続ける人形に、

お婆ちゃんは言った。

 

「毎日座っていたらつまらんだろう。

あんたも歩ければ良いのにねえ」

 

翌日から、

人形は歩き始めた。

 

その代わり、

お婆ちゃんは歩けなくなった。

 

それでも、

お婆ちゃんは人形を可愛がった。

 

無言で歩き続ける人形に向かって、

お婆ちゃんは言った。

 

「どこに行くの?

 

答えられないか・・・

 

あんたも喋れたら

いいのにねえ」

 

翌日から、

人形は喋り始めた。

 

その代わり、

お婆ちゃんは喋れなくなった。

 

さすがに歩けず喋れずの状態に、

お婆ちゃんは苦しかった。

 

誰かに助けて欲しかった。

 

目の前でケタケタ笑いながら

歩いている人形を見ながら、

 

心の中で思った。

 

「もしこの子が人間だったら、

世話をしてもらえるのにねえ」

 

『ならば死ね』

 

人形はケタケタと笑って言った。

 

(終)

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