6人だけの村で育った私の過去 1/2

田舎

 

今からもう10年以上前の話で、

 

確かではありませんが、

5歳ぐらいの頃の事だったと思います。

 

私の住んでいたところは、

ずっと山奥の村でした。

 

電気も電話も無く、

 

道さえ舗装されてないような、

時代錯誤も甚だしい場所です。

 

その村に住んでいたのは、

私と私のおじいちゃん。

 

そして双子のヒサシとトモユキと、

 

そのおじいちゃんとおばあちゃんの

6人だけでした。

 

双子の二人は障害を持っていて、

ヒサは口が聞けず、

 

トモは生まれついての虚弱体質で、

一人ではろくに歩けもしないほどでした。

 

それでも私たちは仲が良く、

いつも一緒に遊んでいました。

 

ヒサとトモは二人で一つのような存在で、

 

何処かへ行く時はヒサがトモを背負い、

話をする時はいつもトモが喋っていました。

 

学校は近くに無かったし、

街へも出た事がありませんでしたが、

 

勉強はヒサとトモのおばあちゃんが

教えてくれるので、

 

何不自由なく暮らしていました。

 

そんなある日の事。

 

私たちが村の大鳥居の所で

いつものように遊んでいると、

 

ヒサたちのおじいちゃんが

大慌てで走ってきます。

 

その顔があんまりに嬉しそうなので、

 

「何か良い事があったのかな?」

「今日はご馳走かな?」

 

なんて3人で話していました。

 

案の定、おじいちゃんは、

 

「今日はめでたいことがあったけん、

ご馳走じゃ」

 

と、私たちを家に連れていきました。

 

ヒサたちの家に着くと、

 

私のおじいちゃんも待っていてくれましたが、

何故か暗い顔をしていたのを覚えています。

 

今思えば、

 

私のおじいちゃんはこれから起こる事を

知っていたんだと思います。

 

だけどその時は、

 

「なんで悲しい顔をしてるんだろう?

何処か具合でも悪いのかな?」

 

と考えていました。

 

食間に通された私たちに出されたのは、

 

黄金色に透き通った、

お酢みたいなものでした。

 

私たちがそれぞれに「何だろう?」と、

怪訝そうな表情を浮かべていると、

 

「これは神様から頂いた

有り難いお酒だから飲みなさい」

 

と、ヒサたちのおじいちゃんが急かします。

 

ヒサが意を決して飲み干し、

そしてトモにも飲ませていましたが、

 

私はどうしてもその気になれませんでした。

 

すると、

後ろにいた私のおじいちゃんが、

 

「サトコ、お前の分は薄くしてあるけん、

めんだな(面倒な)事にはならん、飲め」

 

と言いました。

 

私はおじいちゃんが大好きだったので、

 

おじいちゃんが言うなら大丈夫だ、

と一気にそれを飲み干しました。

 

しかしそんな私の想いを裏切るかのように、

途端に目が回り始めました。

 

定まらない視界をヒサたちの方へ向けると、

二人とも既に倒れ込んでいるように見えました。

 

その直後、

 

私も体を支えられなくなり、

その場に倒れ込んでしまいました。

 

しばらくして意識を取り戻すと、

 

地面がガタガタと揺れていて、

すぐに私は車の中だと気付きました。

 

私たちは一体どうしたんだろう?

と考えましたが、

 

どうにも朦朧として、

頭が回りませんでした。

 

そんな中でも、

誰かの話し声が微かに聞き取れました。

 

「わーがえなもん(お前みたいな奴)

死んだが良かったんじゃ!」

 

と、声を荒げるのは私のおじいちゃん。

 

「やくたいもねこと(しょうもない事)

いつまでも」

 

と切り捨てるような声は、

ヒサたちのおばあちゃん。

 

「しちねんぶりの『いんび』だけん、

諦め!」

 

と怒鳴るのは、

ヒサたちのおじいちゃん。

 

私たちはこれから何をされるのだろう。

 

怖くて怖くて堪りませんでした。

 

(続く)6人だけの村で育った私の過去 2/2

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