あるクラスの教室に飾られた一枚の絵

教室

 

中学の時に俺も実際に見た、

隣のクラスでの話。

 

隣のクラスでは

脳に軽い障害のある男子を、

 

ほぼクラス全体でイジメていた。

 

知的障害、自閉症・・・

 

そいつがどんな病気だったのか

実際知らないけど、

 

見た目も肥満で常にオドオドしていて、

 

とにかく何をやっても駄目な奴・・・

だったのは知っている。

 

言葉から始まったイジメは、

数カ月後には暴力になったらしい。

 

数人で頭を殴ったり、

 

裸にしてはゴミ箱に逆さに入れたり

しているのを俺も何度か見た。

 

でもそいつは、

先生に言ったりしなかったらしい。

 

心底怯えきっていたのか、

あるいは言う頭すらなかったのか。

 

そして問題の事件は、

 

沢山の宿題を出された夏休みが明けて、

二日目の登校日に起きた。

 

隣のクラスは美術の時間だった。

 

夏休みの宿題で、

美術では絵を提出することになっていた。

 

描いた絵を順番に発表していく。

 

やっぱりみんなが期待するのは、

そいつの絵だった。

 

そしてそいつの順番がきて、

みんなが呆れた。

 

綺麗に塗られた黄色い背景に、

 

真ん中で可愛いカエルが三匹、

♪音符を出して唄っている。

 

そんな絵だった。

 

誰もが「お前自分で描いてないだろ~」

と笑いながらヤジを飛ばした。

 

先生もこう言った。

 

「○○、自分で描こうな」と。

 

その瞬間、

 

そいつは机を強く叩いて、

こう叫んだらしい。

 

「おれがしゃべってたのに!

おれがしゃべってたのに!」

 

一同が「はぁ?」となっていると、

 

そいつは走り出して美術室のドアに

思い切り体当たりし、

 

ドアを破り、

そのまま倒れて動かなくなった。

 

すぐ病院に連れて行かれ、

それから学校に来なくなった。

 

それから数週間後、

登校すると教室が騒がしかった。

 

なんでも、

そいつが引っ越すことになったらしく、

 

朝早くに両親と一緒に担任へ、

挨拶をしに来たとのことだった。

 

そして担任の先生は、

 

そいつがみんなにありがとうと

言っていた事と、

 

一枚の絵を預かったから、

後でみんなで見て教室に飾っておくように、

 

と言って職員室に戻って行った。

 

担任がいなくなると、

みんな気持ち悪いとか言いながら、

 

絵の入った筒を投げたり、

ゴミ箱に入れたりしていたらしい。

 

そうしてふざけていると、

 

誰かが投げた時に筒の蓋が取れて、

丸まった画用紙が飛び出てきた。

 

拾った男子がそれを広げた瞬間、

クラス全員が絵から離れた。

 

その絵は明らかに

そいつが描いた物ではなく、

 

また、この教室の絵だった。

 

ひどく薄暗く、

でもかなりリアルに描かれた教室。

 

そしてそいつ以外の全員の机には、

葬式に使われる花が置いてある絵だった。

 

俺も見せてもらったが、

 

両親がそういう意図で描いたのは

間違いないなと思った。

 

担任は頑なに飾ると言い張り、

 

結局その絵はクラス全員を見続けるように、

黒板の上に卒業まで貼られていた。

 

その後、

どうなったのかは分かりません。

 

ただ俺もイジメを見て見ぬふりを

していた事実があり、

 

今もあの教室の絵に呪われているような、

感覚に陥るのです。

 

(終)

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