全面が鏡張りのラブホテルの一室にて

ベッド 寝室

 

俺の地元には、

ボロいが格安のラブホがある。

 

そこのホテルには一室だけ、

 

部屋に入った瞬間から

壁という壁の全てが鏡張り、

 

という奇妙な部屋があるらしい。

 

俺の友達が、

学生で金が無いということもあり、

 

一回だけその部屋で彼女と

過ごしたことがあるらしいが、

 

かなりヤバかったと言っていた。

 

なんでも、その部屋に入った途端、

なんとも言えない寒気がしたらしい。

 

部屋には電気が点いていて

明るいはずなのに、

 

なぜかどんよりとしていて、

芯から冷える寒さがしたとか言っていた。

 

室内の全面が鏡なのだが、

 

鏡には当然友達とその彼女だけが

映るはずなんだけど、

 

二人とも同じ方向の視界の隅に、

何かがいるように見えたらしい。

 

そちらへ視線を動かしても、

必ず視界の隅に何かがいる。

 

安いしそれなりの噂はあった部屋だから、

 

多少は我慢と言うことで、

二人は風呂場に行った。

 

これもまた不思議なもので、

風呂場も全てが鏡張り。

 

これまた嫌な雰囲気で、

 

綺麗なはずなんだけど、

なにかどんよりしている・・・

 

我慢我慢と言うことで、

 

わざとデカイ音や関係のない話を

大声で話しながら、

 

身体を洗い、

湯船に浸かっていたらしいが、

 

急に電気がバツッ!と、

音を立てて切れた。

 

部屋の明かりだけが

微かに風呂場を照らすだけで、

 

お互いの顔が見えないほど、

真っ暗になったらしい。

 

そんなもんだから、

 

二人とも大声で叫びながら

すぐに湯船から出て、

 

身体は濡れっ放しでベッドに飛び込んだ。

 

もうエッチをする気も失せ、

身体を寄せて早く朝にならないかと、

 

お互いブルブル震えながら

時間が過ぎるのを待っていた。

 

そして二人とも、

いつの間にか寝ていたらしく、

 

友達はふと目を開けた。

 

隣を見ると、

彼女は先に起きていて、

 

ただ天井をじっと、

不思議そうな顔をして見ていたらしい。

 

天井はもちろん鏡張りで、

自分たちの姿が映っている。

 

「どうしたの?」

 

と訊く友達に彼女は、

 

「・・・あのさぁ、

 

さっきからおかしいなと

思ってたんだけど・・・」

 

と声を震わせながら、

友達の顔を見ながら言った。

 

「あんたってさ、

私の左側にいるじゃん?

 

それだけじゃないんだけど、

ちょっと天井の鏡見て・・・」

 

友達は意味が分からなかったが、

 

とりあえず天井の鏡を

仰向けになって見てみると、

 

何か違和感がある・・・

 

しばらく天井の鏡を見た後、

その違和感に気が付いた瞬間、

 

最低限の着替えをし、

荷物を手に即ホテルを出たらしい。

 

その違和感というのは、

 

左が友達、右に彼女、

というように寝ていたらしいが、

 

天井の鏡には・・・

 

左に彼女、右に友達、

と全く逆に映っていた。

 

さらに、

その映っている自分たちは、

 

実際は全裸のはずなのに、

なぜか服を着ている・・・

 

そのことに気が付き、

叫びながらホテルを後にしたそうだ。

 

(終)

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2 Responses to “全面が鏡張りのラブホテルの一室にて”

  1. そこが より:

    大阪の東岸和田のラブプティシェンヌではないです?
    全部鏡張りの部屋で、知り合いにちょっとしたことが起こりました。
    詳細は今書きません。

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