通りがかったラブホテルでの怪
昔に付き合っていた彼女は、
少し霊感らしきものを持っていたらしく、
時々「幽霊が見える」と言っていました。
俺は半信半疑だったのですが、
そんなある日のこと。
ドライブしていると夜遅くなったので、
通りがかったラブホテルに泊まりました。
そして何事もなく就寝。
すると、
夜中の何時だったか分かりませんが、
ベッドのすぐ脇にあった
アンティークな洗面台から、
いきなり水が勢いよく出だしたのです。
「一体何だ!!」
と思いながら、
眠りを邪魔された腹立たしさもあり、
ずかずかとその洗面台に歩いていき、
蛇口をひねって水を止めました。
そして振り返ってベッドに目をやると、
彼女も起きていて俺の方を見ているのです。
その時になってようやく、
俺は事の異常さに気がつきました。
なぜ蛇口をひねる事が出来たのか?
やばい。
やばすぎる。
俺は即ベッドに潜り込み、
とにかく寝ました。
そして次の日、
彼女が言いました。
「あの時、黒い影が立ってたよ」
・・・と。
あそこで自殺した奴でもいるのか?
と、色々妄想してしまいました。
俺自身が初めて体験した、
ポルターガイスト現象でした。
(終)