嫉妬する女の幽霊

女の幽霊

 

半年前に成人式ということで同窓会があった。

 

そこに来なかった友達(A)がいて、

 

そのAと同じ地域で住んでいる

他の友達(B)が言うには、

 

あいつは色々あって入院しているそうだ。

 

Aとは中学の時に仲が良くて、

ちょっと気になりBに詳しく訊いてみた。

スポンサーリンク

幽霊になっても女というものは・・・

Aは普通にアルバイトをしている、

いわゆるフリーターだった。

 

ただ、親の言うことを聞かないで、

勝手に都会に住んでいた。

 

異常に家賃が安い賃貸アパート。

 

Aは全く霊感は無い。

 

しかし、そのアパートには

よほど凄いヤツが憑いていたのか、

 

Aも異変を感じ始めた。

 

部屋でのんびりテレビを見ていたら、

カーテンに凄い膨らみが出来ていたとか・・・

 

朝起きると自分の顔を覗き込んでいる

薄っすらとした女の人の顔が見えたとか・・・

 

ありきたりな話が現実に起こっていたらしい。

 

それでも、

肝が据わっているのか能天気なのか、

 

「幽霊は結局何もして来ない!」

 

という信念のもと、

普通に生活していたそうだ。

 

それがある日を境に、

状況が一変する。

 

それは、

Aに彼女が出来た日のこと。

 

彼女が出来たその日、

 

喜んで家に帰ると、

何か空気が違ったらしい。

 

言いようのない、

明らかな何かが・・・

 

だからといって、

特別何をするわけでもない。

 

彼女が出来たことに浮かれていたAは、

気にせずそのまま床についてしまった。

 

その夜、

Aは金縛りに遭った。

 

また薄っすら女の顔が来るんだろ、

と構えていたAは目を開いてみると、

 

女がこの世のものとは思えない形相で

こちらを睨んでいる。

 

しかも、

今までのように薄っすらとはしていない。

 

実際に存在しているかのような質感、

吐息、形相でこちらを睨んでいる。

 

思わず、Aは固まってしまった。

 

女は何も言わない。

 

ただ睨んでいる。

 

Aは目を瞑り、

半ばヤケ気味に大声で、

 

「誰やお前!知らん!知らん!」

 

そう叫ぶと、

 

次に目を開けた時には、

女は居なくなっていた。

 

それ以後その女の霊は、

 

部屋だけではなく、

外でもよく視界に入るようになった。

 

ある日はコンビニで立ち読みをしていたら、

目の前のガラスに女の顔が映ったとか・・・

 

ある日は人混みの横断歩道を歩いていたら、

向こうから女が睨みながら歩いて来たとか・・・

 

しかし、ある条件下の時だけは、

Aの周りに現れないことが分かった。

 

Aが彼女と会っている間だ。

 

いくら「幽霊は何もして来ない!」

と考えるAでも、

 

そう毎回幽霊に脅かされては疲れるので、

彼女と頻繁に会うようになった。

 

すると心なしか女の出る回数が減ったので、

Aは助かったと思っていた。

 

そんなある日、

彼女と飲みに行った帰りのことだった。

 

その日は居酒屋とBARに行き、

 

その後は軽く酔いを醒ましてから、

彼女をバイクで家まで送る予定だった。

 

BARから出た後、

 

彼女を家まで送ろうと後ろに乗せ、

バイクで走り出す。

 

彼女を無事に家の前まで送り、

後ろから降ろす。

 

Aは早く寝たかったので、

 

彼女が何か言おうとしていたのを無視し、

すぐ家に帰ろうとした。

 

そのままボーっとバイクを走らせる。

 

彼女の家から5分くらい経った頃、

ふとAは気付く。

 

(・・・ん?あれ?

何で後ろに人が乗ってるんだ?)

 

一気に眠気が覚めた。

 

彼女はさっき降ろした。

 

そして今、

俺は一人で家に向かっている。

 

だったら、

この後ろから俺を抱えている奴は・・・

 

フルフェイスのヘルメットを被って

バイクに乗っているのに、

 

若い女の囁くような不気味な声が

耳元で聞こえる。

 

「わたしじゃだめなの・・・」

 

Aは気を失いそうになったが、

何とか堪えて大声でこう言った。

 

「うるさい!うるさい!

俺は○○(彼女)がいいんだよ!!」

 

Aは後ろの奴を振り払おうと、

蛇行運転をしながらバイクを走らせた。

 

すると、

フッと後ろの奴が居なくなった感覚がした。

 

助かったかと思って

スピードを上げようとしたその瞬間、

 

「あ゛ああ゛ぁぁぁあああ゛!!」

 

とてもさっきの女のとは思えない

ごつい叫び声が耳に響き渡り、

 

バイクの前輪ホイールのサスペンションが

一気に折れ、

 

体ごと道路に吹っ飛んでしまった。

 

そこでAの意識は途絶える。

 

気付いたら病院だった。

 

幸い、右足が折れただけで、

命に別状は無かった。

 

Aは飲酒運転ということになった。

 

その後に彼女がお見舞いに来て、

彼にこう言った。

 

「Aくんさ、あの日、

 

BARであなたのことをすっごく

睨んでいた女の人がいたけど、

 

あの人は知り合いだったの?」

 

後日談

先日、

Aから私に電話がかかって来ました。

 

Aはその彼女との間に子供が出来て、

ついに結婚したとのこと。

 

あのアパートからも引越し、

 

今は3人で暮らしていて、

女の霊はもう見ないらしいです。

 

ちなみにそのアパートは綺麗に改装され、

今も賃貸に出されているそうです。

 

幽霊って脅かすだけじゃなく、

実力行使に出る場合もあるんですね。

 

(終)

スポンサーリンク

コメントを残す


↓↓気が向けば下のアイコンを応援(タップorクリック)していってください♪
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心霊・怪談へ (ブログランキングに参加しています)
サブコンテンツ

月別の投稿表示

カレンダー

2017年12月
« 11月    
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  
特定のキーワードからサイト内の記事を検索するには、すぐ下の「検索窓」からキーワードを直接入力してご利用ください。
アクセスランキング

このページの先頭へ