大家さんが手に負えない物件

 

私が地元の不動産会社に

入社してすぐのこと。

 

今まで大家さんが自己管理

していた物件を、

 

うちで管理して欲しい、

という申し出があった。

 

当時、築約10年2階建ての

軽量鉄骨アパート。

 

2DKの8世帯でP付。

 

家賃の10%で入居者の

家賃や管理費の回収、

 

共有部分の掃除と管理、

苦情受付など。

 

物件を把握するために、

新人の私が設計図持って、

 

空室を視察(コンセントとか水回りとか)

に行ったところ、

 

そのアパートの敷地に

入った途端、

 

何故か視界がセピア色に

ぼやけてきて、

 

鳥肌が・・・

 

気にせず部屋に入ろうと

鍵を開けると、

 

明らかに何か変。

 

普段は空室の場合は

言わないが、

 

「おじゃまします」

 

と言って入り、

 

図面にコンセントの位置や天袋の

有無等を書き込んでいると、

 

シャーペンもボールペンも

何故か書けなくなった。

 

もう無理・・・

と思って振り返ると、

 

膝を抱えて座った様な黒い影が、

下を向いて部屋の隅に・・・

 

「おじゃましました!!」

 

と慌てて部屋から出た。

 

「気のせい気のせい気のせい」

 

と呟きながら走り、

 

アパートの敷地から出ると、

ふわっと周りが明るくなった。

 

昔から霊感は強い方だと思うけど、

普段は気にしないでいた。

 

でも、

今回のは明らかに変。

 

会社に帰って、

 

「少し変だったんですけど・・・」

 

と言うと、

 

最初は気のせいと言っていた

専務が渋々「実は・・・」と。

 

その部屋の前の住人は

50代の男性の一人暮らしで、

 

検死結果は自然死らしいけど、

 

死後2週間以上で発見されて

空室になった部屋。

 

それはともかく、

 

その物件自体が10年間で、

 

自然死3件に自殺2件と、

行方不明(失踪)1件。

 

それに、

離婚や夜逃げは数知れず。

 

ただ、自殺の2件は、

続けて同じ部屋。

 

告知し納得して入居した人が、

三ヶ月後に自殺した。

 

大家さんは手に負えなくなって、

うちに頼んだらしい。

 

このままでは家賃回収が

出来なくて困るから、

 

入居前の面接もお願いしたいと。

 

結局、

 

物件確認は男性に行ってもらって

普通に管理しているけど、

 

(私は近づかなかった)

 

日当たりは悪いが、

 

今までの件から家賃が

相場の2割程度安く、

 

意外と入居率は高い。

 

普通に暮らしている人はいる。

 

ただ、夜の仕事の

母子家庭が多い。

 

その後、

私が知っているのは、

 

婚約中の男性が新居にと

契約して、

 

クリーニングも畳替えも

鍵の交換も済んで、

 

いざ引っ越しとなった時点で、

婚約が破棄になったと契約解除。

 

契約も鍵の明け渡しも済んでいるから

退去扱いになって、

 

さらに一ヶ月前通告だから、

前家賃に翌家賃に礼金が丸損。

 

うちは儲かっていいけど、

同じことがその物件で二度あった。

 

他に、

 

一人暮らしの男性が

刑務所に入ったり、

 

元々住んでいたお爺さんの

自然死が1件。

 

(鍵を管理しているので立ち会う・・・)

 

離婚が1件。

 

(お父さんが不倫で逃げた)

 

私が勤めていた2年ちょっとの間でも、

これだけのことがあった。

 

今でもそのアパートはあるけど、

 

前を通る度、

なんだか不思議な気分。

 

偶然?

 

ま、事実だし、

別に死ぬほど怖くはないけどさ。

 

(終)

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