向かいのマンションに住む女
5年以上も前の話ですが、
俺を含む三人で、
山本(仮名)のマンションへ
遊びに行ったときの話。
部屋で無駄話とかしていたら、
タバコの煙を追い出そうと、
山本が窓を開けた。
山本はタバコを吸わないので、
部屋に臭いが篭るって
神経質になっていた。
そしたら、山本は開いた窓辺で
じ~っと立って動かない。
「どうした?」って聞いたら、
山本は「いや・・・、ちょっとあれ」
山本は、向かいのマンションの
窓を指差した。
たしか、同じ階の窓だったと思う。
(一段下に見えたが)
女の人が窓を開けて、
カーテン越しにこっちを見ている。
別に不思議でも何でもなかったが、
山本は、ちょっと変だった。
急に山本が叫んだ。
「おい!あれ!」
俺たちはもう一度、
窓に寄ってその女の人を見た。
「あれがどうした?」
「でかすぎる!」
俺たちは、やっと山本が感じていた
違和感に気づいた。
「ええ~!」
誰かが叫んだ。
その窓の大きさは、
人間が出入り出来るぐらい大きい。
左右に開かれたカーテンからみても、
その女性の大きさは以上。
頭は、24インチの画面ぐらい
あることになる。
とっさに窓を閉め、四人で震えていた。
一時間ぐらいして、
そ~っと窓から覗くと、
向こう側の窓も閉まっていて、
見ることは出来なかった。
目の錯覚にしてもリアルな感じがする、
めちゃくちゃ怖い体験だった。
山本は、今でも
そのマンションに住んでいます。
(終)