夜中2時だというのに住宅地で見かけた人達

住宅街

 

私が人生で一番不思議な体験をしたのは20歳前後の時だった。

 

大学時代、夜中に大学のある京都から大阪の自宅へ、ドライブがてらに車で友人達に送ってもらった。

 

もう午前1時を過ぎていたが、自転車を最寄りの環状線の駅に停めていたせいで、家ではなく駅まで送ってもらって車から降りた。

 

そして自転車で家までの12分程度の道のりを進んでいたのだが、夜更けなのにやけに人を見かけた。

 

家に着くまでに7人くらいは居たと思う。

 

一応都心ではあるが、もう夜中の午前2時前でもあるし、住宅地なので大通りから内へ入った帰宅路にはそんなに人を見かけないはずだ。

 

・・・なので、「今日はなんかお祭りだったっけ?だからいっぱい人がいたのかな?」と、家に帰ってから考えもした。

 

なぜなら、全員が着物や浴衣を着ていたし、見かけたのが子供かおじいさんだけだったので。

 

でも気にかかることがある。

 

それは、全員がたった一人で立っていた事だ。

 

50メートルおきに一人を見かける間隔で。

 

それも、家の前にボーっと立っていたり、電柱の横に立っていたり。

 

見かけた子供も、「近くに親や友達も居ないのにおかしいなぁ?」と思って、ふとカレンダーを見た。

 

すると、その日は『お盆』だった。

 

でも確かに見たので、あの人達は幽霊などではなく実際にそこに居たのかもしれない。

 

はっきりとは分からないが。

 

(終)

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