旅館の天井裏で見つけたもの 2/2

テンションも下がり、就寝時間も近かったため、

みんな各自の部屋に戻っていった。

 

俺は隣の部屋、A男はさっきまで遊んでいた、

あの人形のあった部屋だ。

 

すぐに消灯時間は過ぎ、先生達が見回って

部屋の電気を消させた。

 

部屋の入口のドアは少し開けられていて、

廊下の明かりが差し込む。

 

たぶん、喋ったりしてる生徒を

見つけやすいようにしたんだろう。

 

先生達が廊下をパタッパタッと、

行ったり来たりする足音が聞こえる。

 

廊下の明かりと、

先生達が見守ってくれているという

安心感からか、

 

先ほどの人形の出来事を忘れて、

すんなり眠りにつけそうだ。

 

パタッ・・・パタッ・・・パタッ

・・・パタッ・・・パタッ。

 

先生の足音を聞いているうちにウトウトし始めて、

俺は深い眠りについた。

 

寝始めてどれくらい時間が経ったのだろうか。

 

『ドンッ!』

 

地響きのような音で、ハッと目が覚めた。

 

夢かと思ってドキドキしながら、

2回目の音が聞こえるのを、

息を殺して待っていた。

 

おそらく、同室の連中もそうだったに違いない。

 

すぐに『ドンッ!ドンッ!』と、

1回目と同じくらい大きな音が鳴り響いた。

 

それと同時に叫び声が聞こえる。

 

ドンッという音と叫び声は、

どうやら隣の部屋からのようだ。

 

廊下からS先生の「どうしたっ!」っという声と、

A男の叫び声のような物が聞こえてくる。

 

俺たちは慌てて部屋を出て、

隣の部屋に駆け込んだ。

 

部屋の中はすごい光景だった。

 

A男が目を血ばらせ、

壁に向かって手足を振り回してた。

 

まるで、壁から出てくる何かに、

必死で抵抗しているように見えた。

 

A男「やめろー!くるな!くるな!」

 

S先生「おいっA男!しっかりしろ!」

 

A男「手が!手が!手が!

壁から手がーーーーーーーっ!」

 

すぐに他の先生達が駆けつけ、

A男を取り押さえた。

 

A男は押さえ付けられながらも、

叫びながら必死で何かに抵抗していた。

 

見ている俺らも怖くなるぐらい、

暴れ叫んでいた。

 

S先生「おいっ!救急車を呼べっ!」

 

誰が救急車を呼んだのか知らないが、

すぐに救急隊員がタンカを持って入って来た。

 

タンカに乗せられて縛られても、

A男は暴れ続け失禁までしていた。

 

そのまま救急車で運ばれて行ってしまった。

 

S先生「さーもう全員寝るんだ!

あいつは悪い夢でも見たんだろう」

 

と部屋から生徒を追い出し、

各自部屋に戻って寝るように言った。

 

もちろん、あんなのを見てしまったからには、

寝られるわけがない。

 

俺たちは部屋に戻って、

皆が落ち着きを取り戻した頃に、

S先生を呼び出した。

 

そして、A男が屋根裏から人形などを見つけて、

投げたりして遊んでしまったことを伝えた。

 

S先生「そんな事は関係ない。

あいつは夢遊病か何かなんだろう。

お前たちも気にしないで寝ろ。

 

一応、旅館の人に、その天井裏の

人形の話はしといてやるから」

 

と言い、

すぐに部屋を出て行ってしまった。

 

仕方なく俺も布団に入った。

 

怖くて壁や天井は見れなくて、

ガタガタ震えながら布団を被って朝を待った。

 

翌朝、もちろんA男の姿はない。

 

朝食後、部屋を出る準備をしている時に、

俺のクラスの生徒は全員集まるように指示された。

 

集まる場所はA男のいた部屋だった。

 

担任はすでにいて、

部屋に入ると端から順番に

正座をさせられた。

 

昨日の事を怒こられるのかなと

俺は思っていたんだが、

どうやら違ったようだ。

 

生徒が部屋に入った後、ぞろぞろと、

旅館の従業員さん達が入って来た。

 

そしてそれに続いて、

白装束を着た神主さんらしき人が

3人入って来た。

 

そして、全員手を合わせて

目をつぶるように言われ、

言われた通りにお経のような物を唱えた。

 

御祓いのような儀式は、

2時間ぐらい続いた。

 

その後、

何事も無く修学旅行は終わったんだが、

A男が修学旅行に復帰することはなかった。

 

学校が始まってもA男は戻って来ない。

 

担任の話では、

別の学校に転校したとの事。

 

噂では、精神異常者となり、

精神病院に入院してしまったとか。

 

A男の自宅も引っ越してしまい、

消息は全く分からなくなってしまった。

 

その後、

考えてみると不思議なことがあった。

 

・だれが救急車を呼んだのか分からなかった。

 (先生が生徒に聞いたが誰も呼んでない)

 

・救急車が来るのが異常に早かった。

 

・救急隊員の顔が見えなかった。

 (なぜか黒くて見えなかった)

 

・誰も救急車に連れ添って行かなかった。

 

あの部屋で何があったのか、

なぜ人形とお札と本があったのかは、

あなたの想像に任せる。

 

あの救急隊員は人間だったのか。 

もう20年前にあった実話。

 

(終)

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