連鎖する死の呪い 4/5

「なあ・・・A。もしさ、

呪いが存在していたら、

俺は絶対に祟られてるよ。

 

お前も知ってるよな。

俺が今まで色んな女にしてきた仕打ち。

 

お前が知らない話だってある。

 

それこそ、いつ夜道で刺されても

おかしくないくらいだ。

 

刺されないにしても、

相当恨まれている事は確かだと思う。

 

現実に呪いが存在するんなら、

俺はもう死んでるはず」

 

でも俺がどんなに語ろうが、 

Aの周りでは不可解な事が

起きているのは事実。

 

俺自身が一つずつ、

あれやこれや説明しても

納得するわけもなく、

 

話は平行線を辿るだけだった。

 

Aは俺と話した後すぐに、

所持していた車を処分した。

 

「車で事故なんて嫌だし」

 

Aは苦笑いしながら

そう言っていた。

 

それからしばらく、

何事もなく過ぎていった。

 

その間も、俺とAは、

ちょくちょく会っていた。

 

会って食事したり、

飲みに行ったりしてた。

 

しばらく会ってないなと

気になりだした時に、

 

Aから連絡がきた。

 

『病院にいて暇だから、

見舞いにでも来てくれよ。

話もあるし』

 

それを聞いて俺は、

すぐに病院に向かった。

 

病室に入りAの姿を見た時は、

もの凄くショックだった。

 

別人かと思うほど痩せ細ったAが、

そこに居た。

 

動揺してることを

悟られたくなかった俺は、

 

「個室なんてえらい豪勢だな」

と笑って語りかけた。

 

するとAは、

「俺これでも結構金持ってるんだよ」

 

笑いながら答えてくれた。

 

俺は病気のことは

全く無知だからよく知らないが、

 

進行の早い癌だと説明された。

 

余命3ヶ月。

あまりにも突然の宣告だった。

 

Aは話を続けた。

 

「呪いだよ」

 

そう言い放った。

 

俺はすぐさま「あるわけ無い」、

と食ってかかった。

 

Aも言い返す。

 

「じゃあ偶然にも俺たち家族は、

こんなにも短期間の間に

全員が死ぬのか!」

 

Aの目は怒りに満ちていたと思う。

 

話すうちに冷静になったAは、

「お前に頼みがあるんだ」

と言ったから、

 

「俺が出来ることは何でもしてやるから」

そう言った。

 

今になれば、

その言葉は言うべきでは無かったと

後悔している。

 

Aの頼みとは、彼女のことだった。

 

Aは学生の頃から、

Bという女と付き合っていた。

 

Aの彼女だから、

俺もよく知っている間柄だった。

 

本当に良い子なんだ。

Aにはお似合いの彼女だった。

 

「Bの事なんだけどさ。お前、

あいつを口説いてくれね?」

 

それを聞かされた瞬間、

俺は呆気に取られた。

 

Aが言うには、 

病気のことを彼女に話したら、

 

「今すぐに結婚するんだ」

って言われたらしい。

 

呪いのことは気が引けるらしく、

言えなかったそうだ。

 

まー言ったところで、

聞く耳を持つ女では無いと思うが。

 

俺は呆気に取られながらも

言い返した。

 

「俺にも好みはあるんだよ。

自己主張のきつい女には興味はない」

 

それでもAは、

「お前以外にそんなこと頼める奴

いないんだよ」

 

「そりゃそんなアホなこと頼めるのは

俺ぐらいだろうけどさ、それは無理な話だ。

俺が俺のままの性格でBの立場でも、

別れないと思うぞ」

 

そう言って、たしなめた。

 

「もしBが俺と結婚したら、

どうなると思う?」

 

Aは、そう俺に問いかけた。

 

「辛いかもしれないけど、

本人が望むことなんだから

仕方ないだろう」

 

そう答えるしかなかった。

 

「結婚して呪いがそのままBにかかったら、

俺は死んでも死にきれない」

 

Aの言葉は切迫していた。

 

納得いくわけはない。

 

それでもAが呪いに拘るのであれば、

Bと話してみようと俺は思った。

 

俺自身、呪いは否定している。

それでも、これだけ続くと正直怖い。

 

俺が別れさせ無かったことが原因で、

Bの身に何か起こったら。

 

そう考えると、

たまらない気持ちになった。

 

俺はそれからすぐに、

Bに連絡を取った。

 

強引に時間を作らせ、

会う予定を入れさせた。

 

久しぶりに会うBの顔は、

見るからに疲れていた。

 

お互い笑顔など無かった。

 

「Aの事なんだけどさ」

そう切り出した。

 

Bは俺の話を遮るように、

「別れる気はないから」

 

その言葉に、

俺は次の言葉を見失った。

 

それでも何とか平静を装いながら、

「いきなりそれかよ」。

 

そう言ってBの顔を見た。

Bの目は真っ赤だった。

 

Bにしてみれば、

 

俺が何の話をしに来たのか、

大体は想像ついていたんだろう。

 

Aの代弁を頼まれて来た

のだろう事を。

 

しばらく二人は黙っていた。

 

「別れることはもう出来ないよ」

 

いきなりBが切り出した。

 

「そりゃ、それだけ長く付き合って

たんだから、仕方ないさ」

 

俺はそう返した。

 

「そんなんじゃないよ」

 

Bは続けた。

 

「子供が出来たんだ。

あの人の分身がこの中にいるの」

 

そう言ってBは、お腹をさすった。

 

俺はその言葉を聞いて、

頭の中が真っ白になった。

 

さらにBは、

 

「子供が出来たことを彼に伝えれば、

もしかしたら病気も治るかもしれない」

 

涙を流しならBは言った。

 

その言葉を聞いて、

俺は我に返ったのだと思う。

 

「今のあいつには絶対に教えるな」

 

その言葉に、Bはキレてしまった。

 

店の中だということも忘れて、

二人で言い争った。

 

程なくして店員に注意された。

 

それでも口論が収まることはなく、

結局話は平行線のまま、

店を追い出されてしまった。

 

(続く)連鎖する死の呪い 5/5へ

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