祖母の写真探しでの不思議な出来事
これは、祖母が亡くなった時の不思議な話。
祖母は生前、「一緒にお棺に入れて」とリクエストしていた写真があった。
だけど、それが見つからない。
祖母がいつも大事なものを入れていた小物入れにも、その周辺に置いてあったアルバムにもない。
私と叔母の二人で焦って探していると、4歳になる姉の子供が別の部屋からふらっと来て、「ひいばあちゃんのしゃしーん」と言いながら部屋の隅にある本棚を指差した。
私は普段会話するように「ん?どれ?」と聞いてみた。
ただ背が届かないので、指差して「これ?」「ちがう」「じゃぁこれ?」と何度かやり取りする。
すると、どうやら本棚の中段にある、祖母が時々見ていたお気に入りの猫の写真集らしい。
手に取って確認すると、その中に“しおり代わりに写真が挟んであった”のでびっくりした。
ちなみに姉の子供は祖母の家に来たのは初めてで、その猫の写真集もそれまで見たことがない。
とりあえずお棺に写真を入れるのには間に合ったけれど…。
後で「どうして知ってたの?」と聞いても、本人は「しらなーい」と言うばかり。
小さな子はアンテナの感度が良いという話はよく聞くけれど、きっと祖母が一生懸命に知らせてくれたんだろうなと思った。
余談になるけれど、亡くなった方のお棺に写真を入れる時は、『既にお亡くなりになった方々の写真ならいいけれど、存命中の方々の写真は入れてはいけない』と葬儀屋さんから聞いた。
風習や迷信の類なのかは詳しく聞かなかったけれど。
(終)