はじめに
親父が死んでから、
ちょうど今日で一年経った。
キリシタンだから、
一周忌とかないんだけど。
※キリシタンとは(wikipedia)
親父はキリスト教の神父だったけど、
幽霊の存在も認めていた。
同じ体質の俺も、
キリスト教に入るかどうか、
未だ迷っている。
他の神父や教会の人たちからは、
異端というか、
悪魔憑き扱いされていた
親父だったが、
不可解な存在に悩む人たちを、
無償で助け続けた人生だった。
我が家と親父を襲った様々な悲劇を、
ここに書いてもいいだろか?
誰にも言うなと言われたが、
親父の生き様を自慢させて
いただいてもいいだろうか?
本題へ
はじめに、
キリスト教にも沢山の種類があるので、
よそのことはよくは知らないが、
キリスト教の基本的な考え方は、
死んだ人間がこの世に化けて
出ることはないとされている。
つまり、
幽霊というものはいない、
という考え方だ。
幽霊が見えたなら、
それは悪魔が幻覚を見せている
と考える。
親父は小さな頃から、
幽霊というものがよく見えたらしい。
気が狂いそうになる中で、
救いを求めたのがキリスト教
だったと聞いている。
だが、
それでも幽霊は見え続け、
いつしかそれ(霊)を救えるように
なったのだという。
「それは神様のお力添えがあったからで、
自分は幸せなのだ」
と常に言っていた。
教会には2週間に一度、
この手の悩みを持った人が
現れていた。
親父は一人一人の話を
親身に聞いて、
悩みが解決するように
頑張っていた。
でもやっぱり狂ってしまって、
1年前に首を吊って死んだ。
神でも救えないほど、
いろんな出来事があった。
自慢話に聞こえるかも知れないが、
自慢の父の話を書かせて欲しい。
(終)
シリーズ続編→親に呪われている