死が迫った彼女が遺した日記帳

 

俺の彼女が両親の留守中に

自室で殺された。

 

他殺と断定出来る証拠はなかった。

 

しかし、自殺とも思えない

死に方だったらしい。

 

彼女が自殺するような心当たりも、

俺には全くなかった。

 

自宅で幽霊を見ることがある、

と騒いでいたことはあったが、

 

先月の彼女の誕生日に

会った時には、

 

「幽霊なんて気のせいだった」

 

と落ち着いた口調で言っていた。

 

事件から数日間は、

頭の中が真っ白だった。

 

葬式も終わり、

 

悲劇から1ヶ月ほど経った頃、

ようやく落ち着いた。

 

そして今日、

 

彼女との思い出に浸りたくて

彼女の家にやって来た。

 

温かく出迎えてくれる

彼女の両親。

 

生前に使っていたのと全く変わらない、

彼女の部屋へと通された。

 

そこで、

 

母親から1冊の日記帳を

手渡された。

 

不可解な箇所があると言う。

 

確かに何かを伝えようと

したみたいだ。

 

それにその月の日記だけ、

震えた字で書かれている・・・。

 

<6月1日>

のんびりした一日だった~

 

<6月2日>

無理しすぎたかな。

疲れた~

明日に備えて早く寝ようzzz

 

<6月3日>

今日はアタシの誕生日。

隆から指輪をプレゼントされた。

婚約指輪?

なんちゃって(>_<)

 

<6月4日>

来月は隆の誕生日だ~。

何をプレゼントしよう?

 

<6月5日>

相変わらずの講義。

つまらない。

 

<6月6日>

周りは誰も分かってくれない。

隆なら分かってくれるだろうか?

 

<6月7日>

たかしに会いたい。

 

<6月8日9時>

お願い気付いて!

 

俺は気付いてしまった・・・。

だが、もう遅かった・・・。

 

俺も近いうちに死ぬだろう。

おそらく1週間後。

 

気付かれないよう、

こっそり警告を残そうか・・・。

 

いや、

 

そうすると誰かがまた死ぬように

なっているみたいだ。

 

頭がボーッとして、

考えが上手くまとまらない・・・。

 

「僕にはよく分かりませんね。

きっと悩みでもあったんでしょう。

 

今日はもう失礼しますが、

 

1週間ほどしたらまた伺っても

いいでしょうか?」

 

俺は落ち着いた口調で

母親に言った。

 

(終)

解説

これは難しい意味怖の話。

 

日記の文章を全てひらがなに変換後、

1日から1文字づつずらして読んでいく。

 

最後の8日目だけは、

9時の9文字目となる。

 

6月1日→1文字目『の』

6月2日→2文字目『り』

6月3日→3文字目『う』

6月4日→4文字目『つ』

6月5日→5文字目『ら』

6月6日→6文字目『れ』

6月7日→7文字目『た』

6月8日9時→9文字目『!』

 

『のりうつられた!』

 

彼女は幽霊に身体を乗り移られて

死んでしまったのであろう。

 

これに気付いてしまった彼も、

8日目に死ぬ事を自覚したようだ。

 

伝染する呪いのビデオならぬ、

呪いの日記。

 

 

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