クーリングオフをさせない悪徳業者
クーリングオフとは、
消費者が自宅などに不意の
訪問を受けて勧誘されるなど、
自らの意思がはっきりしないままに
契約の申し込みをしてしまうことがあるため、
消費者が頭を冷やし、
再考する機会を与えるために
導入された制度。
一定の期間内であれば、
違約金などの請求や
説明要求を受けることなく、
一方的な意思表示のみで、
申し込みの撤回や
契約の解除が出来る。
投資信託など、
元本割れリスクのある
金融商品は、
保険などを除いて
対象外の場合が多い。
変額年金は対象外とされてきたが、
購入後10日間は解約手数料なしで
解約出来る商品が多い。
さて、
このクーリングオフ制度、
強引な販売手法を断り切れずに
つい買ってしまった・・・
という人は結構いる。
やはりというか、
高齢者の方が悪徳商法に
引っかかってしまうケースが多い。
そういった場合、
同居している家族が
契約書を見つけ、
クーリングオフを使って、
間一髪で契約を取り消した、
という体験談を
聞いたことがあるだろう。
こんな話がある。
クーリングオフを使って
契約を取り消されては、
もちろん業者は儲からない。
しかし、
露骨に契約のことを
家族に秘密にしろとは、
法に触れるので言えないという。
高齢者の場合、
つい家族に相談してしまう
こともあるだろう。
そこで、
ある悪徳商法の業者は、
契約者にこんな台詞を
使うのだという。
「契約書はお客様の個人情報が
記載されている大事なものです。
ですから、人目の付く場所に
出して置かず、
契約が確定するまでの間は
人目の付かない場所に、
大事にしまっておいて下さい」
これは一見、
正しいことのように思えるので、
契約者は家族の目に触れない
場所にしまいこむ。
月々のローンの支払いが始まった頃に
家族が契約に気づいても、
すでに手遅れとなってしまう事例が
少なからず存在するというのだが・・・。
(終)