山道の途中にあった小さな神社にて
これは、雨降る6月の山を登った時の話です。
特に不思議なことはなかったのですが、山道の途中にある小さな神社にちょっと雨宿りをさせてもらおうと近づいたところ、神社の扉には鎌が何本も掛っておりました。
その鎌の柄には、人の名前や『今度は左目をお願いします』などとあって、「ここの神社は邪悪な神様を祀っているのか?」と、ビクッとなりました。
しかし、別の鎌に『おかげ様で体調は良好です。今度は左肩をお願いします』と書いてあって、さらに別の鎌には『いつまでも健康に仕事が出来ますように』とありました。
それらを目にした私は、「なぁ~んだ、ここの神社には大切な願い事を鎌に書く習慣があるのか~」と納得しました。
『今度は左目・・・』は、他人の目を壊すのではなく、自分の目の治療だったんだと理解しました。
さらに、怠け者の私にとって、仕事をするために健康でいさせてくださいという謙虚な願いは、かなりカルチャーショックで感動してしまったほどで。
雨に煙る大自然の中の何かありそうな小さな神社、というシュチュエーションの力も相まって、「あぁ、なんて神秘的なんだ。神様ありがとう。人間ありがとう」という、変わっているも素敵な心境にさせられました。
(終)