留学生と神社へ行った時のこと 2/3

神社

 

その男性に学業成就の

お守りを売ってもらい、

 

スーザンにプレゼントしました。

 

「ごゆっくり休んでいって下さい」

 

と言われたので、

 

慣れない長時間の運転で

疲れた私は、

 

自販機で買ったジュースを片手に、

 

境内のベンチに座って

少し休んでいくことにしました。

 

連休中なのに、

 

私達以外の参拝客は

いないようで、

 

とても静かです。

 

自然と日本の伝統建築物が

大好きなスーザンは、

 

とても興奮気味です。

 

その時、

 

スーザンが小川の先に

指を差して、

 

「あれは何?」

 

と言いました。

 

小川の向こう側には、

鳥居がありました。

 

神社の中にまた鳥居があるなんて

不思議だな、と思いながら、

 

その先を良く見ると、

 

山の中へ入っていく石段

のようなものが見えました。

 

スーザンが興味深々なので、

 

間近で見ようと、

一緒に鳥居へ近づいていくと、

 

その鳥居が女性の腰くらいの高さの

小さなものであることが分かりました。

 

スーザンは、その小さな鳥居を

くぐりたいと言い出しました。

 

しかし、小川沿いに境内を

端まで歩いて探しても、

 

向こう岸に渡ることが出来そうな

橋が全く見当たらないんです。

 

小川の幅は3メートルほどで、

 

くるぶし辺りまでの深さしか

なかったので、

 

暑いくらいの天気というのあり、

 

靴と靴下を脱いで、

裾をあげて、

 

裸足で小川に入って

向こう岸に渡ることにしました。

 

向こう岸に渡り、

靴を履き直すと、

 

スーザンは四つん這いになって、

その小さな鳥居ををくぐりました。

 

私もジーンズを汚しながら、

 

四つん這いになって

鳥居をくぐり、

 

スーザンと顔を合わせて

笑いました。

 

鳥居の奥の山へ登っていく

石段を見上げると、

 

私は急に、その先に何があるのか

気になり始めました。

 

スーザンも同じ思いだったらしく、

 

私達は何も言わずに

石段を登り始めました。

 

石段はすぐに終わり、

普通の山道になりました。

 

木で日光が遮られ、

とても涼しくて良い気分です。

 

さらに上へ上へと

足を進めていくと、

 

また小さな鳥居があり、

再び石段が始まりました。

 

鳥居の横には石碑が建っており、

神社の名前が書いてありました。

 

私達が最初に入った大きな神社とは、

全く違う名前です。

 

地面が濡れていて、

 

さすがに四つん這いでくぐるのは

気がひけたので、

 

鳥居の外側を回り、

 

さらに石段を少し昇ると、

人影が見えました。

 

二人組の子供です。

 

近づいていくと、

 

二人の子供たちが小さな声で、

何か歌っているのが分かりました。

 

それと同時に、

 

その歌声から

二人組が子供ではなく、

 

小さな老婆であることが

分かりました。

 

私達に気づいているはずなのに、

 

彼女達は歌を止める気配は

全くありません。

 

歌は聴きなれない言葉が

散りばめられていて、

 

「どうかあと10年生かして欲しい」

 

といった内容で、

 

「ありがたき」

 

という単語が何度も出てくる、

不思議なものでした。

 

石段がある坂の左手に

小さなお堂があり、

 

老婆達はそこへ向かって

手を合わせています。

 

老婆達はこの暑さの中、

 

毛糸で編まれた厚手の

カーディガンを着ています。

 

老婆達の背中越しに、

 

私もそのお堂に向かって

手を合わせました。

 

私の動きにつられて、

スーザンも手を合わせます。

 

お堂には茄子やピーマン、

キャベツといった野菜が、

 

大量にお供えされています。

 

その上の段には、

 

大豆のような形で表面がガタガタの

球体がありました。

 

大きさはバスケットボールよりも、

二周り小さいくらいでしょうか。

 

どうやら石で出来ているようで、

 

光沢感があり、

 

木の間から差し込む光に

反射しています。

 

歌が終わると、

 

老婆達は私達の方を

振り向きました。

 

老婆達の顔を見て、

一瞬ぎょっとしました。

 

彼女達の顔が

真っ赤だったんです。

 

朱色と言えば

伝わりやすいでしょうか。

 

老婆達は不思議な化粧を

していました。

 

眉間のあたりから

眉の上を経由して、

 

あごを通って

顔全体を一周するように、

 

口紅のようなものを

塗っていたのです。

 

最初は血か何かだと思い、

かなり驚きました。

 

驚きのあまり、

 

「こんにちは・・ ・ ・」

 

と声を上ずらせて挨拶すると、

 

老婆達はさっきの神主と

同じように、

 

聞き慣れないイントネーションで

話しかけてきます。

 

最初に年齢を聞かれました。

 

老婆達の言葉は、

今となっては細かく思い出せません。

 

「何歳か?」

 

という問いに、

 

「23歳です」

 

と答えると、

 

「まだ若いので、

 

これ以上、石段を登るのは、

バツをほうず(る?)

 

と言われました。

 

細かい言葉までは

覚えてないのですが、

 

『バツをほうずる』

 

というフレーズだけは

頭に残っています。

 

(続く)留学生と神社へ行った時のこと 3/3へ

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