死んだはずのおじいちゃんが・・・
昨日は祖父の四十九日の法要だった。
これは、その後の席で祖母から聞いた話。
祖父の通夜の晩、座敷に親戚知人が集まり、祖父について色んな話で盛り上がった。
だが、客がみんな帰った後、祖母が来客用の座布団を押入れに仕舞おうと襖を開けたまま、「あら~」と言ってそのまま固まっていた。
やがて、「あらあら、ごめんなさいねえ」と言って、座布団を仕舞わずに襖を閉めた。
その場に残っていた俺たちが「どうしたの?」と聞いても、祖母は「いいえ~」とすました顔で台所へ行ってしまったので、気になった伯父が押入れを開けて確認してみたが、そこには何もなかった。
「まさか母さん、親父が死んだショックでボケが始まったんじゃないだろうな?」などと、父や伯父は心配したが、他に変わったことはなかった。
そして昨日、祖母があの時のことを打ち明けてくれた。
「あの時ふすまを開けたら、死んだはずのおじいちゃんがかしこまってて、私とちょうど目が合って二人ともびっくりしちゃってねえ。
でも、おじいちゃんは生きていた頃よく、『俺は死んだらこっそり戻ってきて、みんなが俺のことをどう言ってるか、香典をいくら出したか確かめる』って言ってたのを思い出したんで、『ごめんなさいねえ』って言って閉めたの。
おじいちゃんは『いや、こちらこそ失礼』って笑ってたわよ」
そんな話を聞いたみんなは、通夜や葬式で滅多なことを言うとヤバイなぁと、一斉に周りを見回していた。
(終)
じいちゃ〜んwww