居心地の悪さを感じるような類のモノ

BMX

 

夏になると幽霊絡みの話が増えてくる。

 

するとたまに、

 

「霊が近寄って来たら怒れ!

怒りの感情は強いから霊が負ける」

 

などと言う人がいるけど、

やめておいた方がいい。

 

突っぱねた反動で、

周りに被害が及ぶ場合がある。

 

10年くらい前の学生だった頃、

 

俺はしょっちゅうBMX用の自転車で

友達と遊んでいたんだ。

 

BMX(コトバンク)

アメリカ生まれの小径自転車を使用して行われる競技。Bicycle Motocross(バイシクルモトクロス)の略。

BMX

(BMX)引用:1分で読める!! [ 違いは? ]

 

いつものように遊んで飲んだあとは、

アパートに帰って寝たんだ。

 

何だか寝苦しくて起きたら、

近くに何かがいるみたいだった。

 

俺は霊感なんて無かったから

よく分からないけど、

 

感情がそこにあった。

 

普通に生活していても、

 

目の前の人が怒ってるなぁとか、

なんとなく感じることってあるでしょ。

 

空気を読むというか・・・

 

近くにいたのは「妬ましい」とか

「恨めしい」とか、

 

居心地の悪さを感じるような

類のものだったんだ。

 

冒頭の話に架かるが、

俺も怒ればいいかなと思ってね。

 

「飲み過ぎで気持ち悪いんだ馬鹿!」

「明日講義なんだから寝かせろ!」

 

などと念じていた。

 

1時間程で『何か』は消えてくれた。

 

数日後にまたBMXで遊んでいたら、

いきなりすっ転んでしまったんだ。

 

友人達に笑われながら起こしたら、

 

ハンドルの所が裂けていて、

ちょっとした騒ぎになった。

 

BMXというのは、

 

ハンドルの軸の部分に

リングとベアリングが嵌っていて、

 

リングをワイヤーで引っ張って

ブレーキをかけるようになっている。

 

映像なんかで見ると分かるけど、

 

結構タフな使われ方をするので、

そんなにやわな作りじゃない。

 

俺も飛んだり跳ねたりしているから、

週一のメンテナンスは丁寧にしていたけど、

 

こけた時にはリングが裂けていた。

 

俺も友人達も、

そんな症状には縁がなかったので、

 

ショップに持って行って確認してもらったが、

向こうも原因が分からなかったそうだ。

 

その日の晩、

また『何か』が来ていた。

 

俺は日中の事もあってイライラしていたから、

思い切りぶつけてやった。

 

「どうせ、てめえのせいだろ!」

「ネチネチと気持ち悪い事すんじゃねえ!」

 

なかなか居なくならないもんだから

一晩中言ってやったら、

 

そのまま寝ていたらしい。

 

起きたら何の気配もなく、

眠さだけが残った。

 

それ以来、

その『何か』は来なくなった。

 

この事を話のネタにでもしようかと

友人達に会いに行ったら、

 

何だか様子がおかしかった。

 

話を聞いてみると、

そのグループの一人(A)が前日、

 

近所のマンションから飛び降り自殺を図った

との事だった。

 

運良く一命は取り留めたらしい。

 

それから数日が経ち、

 

Aの容態も安定したとの知らせを受けて、

俺と友人達で見舞いに行った。

 

手足に顎、

アバラと脊椎も折れていた。

 

意識はあるものの、

 

励まそうと話しかけても

「痛え・・」しか答えない。

 

数日前からの変わり様に、

みんな少なからずショックを受けていた。

 

その帰り際、

 

警察の人に呼び止められて、

色々と話を聞かれた。

 

事情聴取というよりは、

調査の一環みたいな感じだった。

 

Aがマンションから飛び降りる前、

近所の住民がAを見かけて、

 

様子が変なので110番通報している間に

飛び降りたとの事。

 

慌てて駆け寄ると、Aは、

 

「助けて・・・助けて・・・」

 

と呟いていたという。

 

まだTwitterもない時代、

「屋上なう」とか勘弁してほしい。

 

それから何度か見舞いには行ったが、

まともな話も出来ないままAは退院。

 

そして俺達に何も言わず、

 

いつの間にか大学を辞め、

実家に戻ったそうだ。

 

しばらくして飲み会を開き、

 

言いそびれていたネタを

友人達に話したところ、

 

皆が黙り込んでしまった。

 

「それってもしかして、

生霊とかってやつじゃないの?」

 

「それを突っ返した日に

Aが飛び降りたんだぜ?

 

もしかして・・・」

 

くだらない話にネガティブに

盛り上がっていった。

 

本当に勘弁してほしい。

 

俺はAに恨まれるような覚えはないし、

Aを追っ払った覚えもない。

 

楽しく遊んだけど、

あまり深くは干渉していない。

 

それから数年後、

俺を除く皆が就職し、

 

俺は就活しながら

バイト暮らしをしていたところに、

 

Aの訃報が届いた。

 

就職組は忙しく、

 

当時のメンバーの半分くらいしか

集まらなかったが、

 

式に参加してきた。

 

一通り済んで、

会食にも出たのだが、

 

Aの母親に会った時、

何故か俺は謝られた。

 

理由は話してくれない。

 

ただ「ごめんなさいね」って。

 

分からない事だらけのままだが、

俺はなんとか就職して生活している。

 

結局あれは、

ただの偶然だったと思いたい。

 

常識の超えた相手を、

常識の超えた方法で仕留めるとか、

 

マジ怖すぎる。

 

伝聞が多くて申し訳ない。

 

親友というわけでもなかったし、

 

飛び降り現場での聞き込みなども

全くしていない。

 

病院関係者や警察関係者、

それに、

 

大学の事務員などに聞いた事が

俺の知る全てなもので・・・

 

(終)

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