朝になると異変が起こる合宿所

障子 窓

 

友達のお兄さんの体験談。

 

聞いたのが15年ほど前になるので、

記憶が少し曖昧だが・・・

 

そのお兄さんは、

九州の某大学の剣道部に所属。

 

大学の体育会系と言えば、

もれなく上下関係はかなり厳しい。

 

その夏の合宿中での出来事。

 

部屋は学年毎に別れていたのだが、

 

4年生の部屋の窓だけが、

毎朝10センチほど開いているという。

 

窓は横開きのサッシに障子、

という形になっていたらしい。

 

毎晩、ちゃんと閉まっているのを

確認しているのにもかかわらず、

 

朝になると決まって10センチほど

開いているので、

 

誰かのいたずらかと思った4年生は、

 

1年生の一人に一晩中、

窓を見張っていろと指示した。

 

そして、合宿最後の晩。

 

その1年生一人を残し、

皆はどんちゃん騒ぎの宴会。

 

見張りをさせていたのを、

 

翌朝に思い出した4年生が

部屋に戻って見ると、

 

見張り役はきちんと正座をして

窓を見張っている。

 

そして問題の窓は、

やはり10センチほど開いていた。

 

「おい!どうだったんだ?

なにか分かったか?」

 

と声を掛けた瞬間・・・

 

こちらを振り返る事もなく、

返事をする事もなく、

 

見張り役の学生は、

すくっと立ち上がり、

 

目の前の問題の窓を開け、

すっと窓から身を投げた。

 

それ以降、

 

その合宿所の4年生部屋は、

立ち入り禁止となった。

 

見張り役の学生は、

一体何を見たのか?

 

窓から身を投げた時、

 

どんな顔をしていたのかが

分からないままなので、

 

気になってしまう怖さだった。

 

(終)

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