十柱と呼ばれる神社にまつわる噂話

十柱神社

 

日本の各地に、

十柱神社(とばしら)というのがある。

 

大抵は日本書紀に登場する

神様だとかを祭っている神社で、

 

十人の神を祭るから、

十柱と言うのだそうだ。

 

ちなみにこの神様、

土木関係の御利益があると言われている。

 

ただ近所の十柱神社は、

 

不思議なことに祭られている神様の数が

九つしか分からない。

 

というより、

十番目は「来るもの」だそうだ。

 

さらに十柱神社は火気厳禁で、

 

神事でも火を使うことは

一切禁止されている。

 

ずっと気になっていたんだけれど、

 

先日ある土木工事関係の人から、

この神社の秘密を聞くことが出来た。

 

実は十人目の柱とは『人柱』のことで、

 

「とばしら」神社が火(ひ)を嫌うのは、

「(ひ)とばしら」となる事を隠したいから。

 

そういったことに神経質なほど気を遣い、

儀式等が行われていたんだそうだ。

 

十柱神社の裏手を掘り返せば、

 

その時に使った鉄器やらが、

過去の遺物として大量に出てくるという。

 

昔は今みたいな丈夫な材料がなく、

人を埋めて柱にしたという言い伝えがあり、

 

村や集落のために犠牲となった人を、

十番目の神様として奉られたのではないかと。

 

※奉る(たてまつる)

自分よりも上位の人や神仏に物を差し出すこと。献上すること。

 

なるべく言葉に出したくない・・・

 

そんな気持ちが「ひ(火)」を

遠ざけたのではないだろうか。

 

(終)

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