夢の中に何度も出てきた女の子
不思議でもあり、切ないお話。
俺は結婚してからというもの、夢の中に3歳くらいの女の子と遊ぶ光景が何度も出てきた。
それも、その女の子の笑顔をはっきりと覚えているくらいに。
しばらくした頃、妻が妊娠した。
なぜか俺は、根拠はないけれど女の子が生まれてくる確信みたいなものが頭にあり、名前も女の子でしか考えなかった。
そして案の定、女の子が生まれた。
生まれてからずっと笑顔が可愛かった娘だが、3歳頃に公園で遊んでいる時、俺は思い出した。
その笑顔は、娘が生まれる前に夢の中に出てきた女の子と同じだったということ。
それに笑い声まで一緒だった。
きっと夢の中にいたあの女の子は、生まれる前から俺のところに来ることが決まっていたんだろう。
しかし・・・
娘は5歳の時、肺炎で天国に帰ってしまった。
娘は生まれる前から寿命があまり無いことを知っていたから、俺と夢の中で何度も遊んでくれたんだと勝手に思っている。
(終)
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