その婆ちゃんが泣き喚くと誰かが死ぬ

病室

 

俺は病院で勤務している。

 

そしてその病院の入院患者さんの中に、『予言者』というあだ名を付けられた婆ちゃんがいる。

 

といっても、新興宗教のような胡散臭い予言をするわけではない。

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偶然というのも考え難い

その婆ちゃんはかなり重度の認知症で、ほとんど一日中を寝て過ごしている。

 

本当に昼も夜もずーっと寝ているのだ。

 

しかし、稀に目を覚まして泣き喚くことがある。

 

怖くて怖くて仕方ないという泣き方で。

 

例えるなら、子供が怖い夢を見た後に泣き喚いてすがってくるような感じ。

 

そんな時の婆ちゃんは何かを必死に訴えようとしているのだが、脳梗塞の後遺症で言葉がうまく出なくて職員たちにとっては何を言っているか分からない。

 

ただ分かっているのは、婆ちゃんがそんな風に泣き喚いた日か、またはその次の日に、『同じフロアに入院している誰かが死ぬ』ということだ。

 

婆ちゃんはもう1年近く入院しているが、今のところその予言は1回もハズレたことはない。

 

それほど多くの死人が出る病棟ではないので、偶然というのも考え難い。

 

ちなみに、これまでの予言の的中数は10回くらいはある。

 

そんな時の婆ちゃんは、一体どんな夢を見ているのだろう。

 

もし聞けたら、さぞ興味深いだろうなといつも思う。

 

(終)

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