雄別炭鉱にまつわる怪奇話
北海道の道東にはその昔、阿寒町雄別という町に『雄別炭鉱』があった。
当時は朝鮮人をたくさん連れて来たり、天涯孤独の身元不明の人達を雄別炭鉱は労働者として受け入れ、それなりに町は栄えた。
だが、炭鉱なので事故で死んだ人も多く、多数の名もなき位牌が増えていった。
廃墟と化した町
時代は石炭から石油にエネルギーが変わり、雄別炭鉱も例外なく昭和45年2月に閉山になる。
阿寒町雄別は炭鉱で栄えた町なので、閉山した後は町民が減っていき、ついには雄別に住む人は一人もいなくなってしまった。
そんな中、名もなき位牌は雄別に流れる川に全部廃棄された。
それからの雄別は、無人のゴーストタウンと化した。
現在でも雄別には病院や映画館に大きな煙突と、建造物は残っているのだが、廃墟と化した病院や映画館では当たり前のように幽霊の目撃談は後を絶たない。
さらには、『大きな煙突が逆さまに見えたら雄別から帰れなくなる』といった噂まで出る始末。
雄別に近かった釧路市では、遊び半分で絶対に行ってはいけない場所だというのは市民の暗黙の了解であり、以前に宜保愛子という霊能者が雄別に来た時も、「私には手に負えない」と言っては何もせずに帰って行った。
また、地元ではこんな話が伝わっている。
ある日の夜、釧路から男2人と女1人が車で雄別へ肝試しに行った。
理由は分からないが、男2人は女を町の病院に置き去りにして帰った。
次の日になり女が発見されたのだが、昨日まで黒髪だった女は白髪に成り果てて精神が崩壊していた。
女は精神病院に入れられ、数週間後に男2人は原因不明の変死となった。
そんな雄別に数年前、俺は土木の仕事で行くことになったのだが、日が暮れて夜になった町は電気も無いのに凄く明るかった。
(終)
×当時は朝鮮人をたくさん連れて来たり
○当時は高給に釣られた朝鮮人が自ら望んでたくさん来たり