瞬間移動したかのような不可解な体験談

時計

 

これは、俺としては不可解な出来事だった体験談。

 

その時、実家へ帰るために山道を車で走っていた。

 

ただ途中で霧が出始め、次第に3メートル先も見えないくらい濃い霧になる。

 

事故らないように恐る恐る進みながら、ようやく霧の中を抜けた。

 

すると、そこはまったく知らない場所だった。

 

何が何だかわからず適当に真っ直ぐ進んでいるうち、街に着いた。

 

しかし、街の中を見て回って、さらに唖然とした。

 

実家どころか、そこは実家がある県を通り過ぎ、3県跨いだ場所の別の県だったのだ。

 

神隠し…。

 

もしかしたら、そんなようなものに遭ったのかもしれない。

 

時刻の進み方に違和感やおかしな点などはない。

 

ただ単に、自分と車だけが瞬間移動したような感じだった。

 

半日はかかるような距離を、僅か1時間足らずで進んだことになっている。

 

時空の切れ目とか狭間とか、そんなSFチックなことを言うつもりはないが、“世の中には常識では考えられないことがある”と実感した出来事だった。

 

こんな話を身近な誰かに話しても信じないだろうから、今は自分の中だけに留めている。

 

(終)

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