50年以上のひっそりとした存在
これは、友人から聞いた奇妙な話。
彼の家は、関西の古くから住宅地だった地域の一画にありました。
家には地下室があったのですが、ある時に配管工事のため地下室を掘り下げることになったそうです。
工事が始まり、地下室からさらに2メートルほど掘り進んだ時でした。
さらに『もうひとつの部屋』が現れたのです。
ところが、その部屋というのが天井の高さは1メートルほど、広さも2畳ほどの狭い空間でした。
不思議なことに、その部屋は四方の壁が漆喰で固めてあり、床は半分程度が腐りかかった畳が敷いてあったそうです。※漆喰(しっくい)=壁や天井などに使用される塗料
天井も板張りで、“出入口というものがない”のです。
もちろん、その部屋に通じる通路となるような抜け穴もありません。
彼の家は戦前からの古い建物ですが、彼の曾祖父がその家を建てた時に、そんな奇妙な部屋を作ったという話もありませんでした。
一体、何のためにそんな部屋を作ったのか?
また、そんな空間が少なくとも50年以上もの間、誰にも知られずにひっそりと存在していたという奇妙なことがあったそうです。
(終)