ドライブデート中の女友達から着信

 

俺は、一人暮らしの家で

ごろ寝しながらテレビを見ていた。

 

すると、女友達の一人から

電話がかかってきた。

 

その女友達の名前は、

仮にA子にしよう。

 

A子は今日、

 

彼氏と一緒にドライブデートを

楽しんでいるとのことだった。

 

ドライブデート中に電話してくるとは

余程暇だったのかと思ったが、

 

A子の声は何故か焦っている。

 

A子は、てんやわんやな口調で

俺に事を説明した。

 

どうやら、A子の彼氏がドライブ中に

おかしくなってしまったらしい。

 

A子の彼氏は俺の友人でもあったのだが、

そんな感じの冗談をする奴でもない。

 

俺も少し不審になった。

 

A子によると、

 

彼氏は何もしていないのに

突然笑い出したり、

 

ラジオの砂嵐の音をずっと

流しているらしい。

 

確かに、電話越しからも

砂嵐のような音が聞こえる。

 

俺はA子に今どこにいると聞いた。

 

A子は「よく分からない・・・」

と不安げな声で言う。

 

窓から何が見える?

とA子に聞くと、

 

「暗くてよく分からないけど、

雑木林がたくさん」

 

と言う。

 

俺は、ますます大変なことに

なったと思った。

 

A子は「どうすれば元に戻るだろう・・・」

と焦りながら何度も言っていた。

 

このままではA子の精神も危ない。

 

すると突然、

 

電話越しに彼氏の狂った笑い声が

ゲラゲラと聞こえて来た。

 

むせび泣くような笑いだ。

 

笑い声は次第に大きくなっていく。

 

A子が「もうやめて!」、

と繰り返す。

 

狂った笑いは一向に止まない。

 

いきなり車のブレーキ音がして、

ガタンッと衝撃音がする。

 

携帯を地面に落とした音だ。

 

この世のものとは思えない

狂気を帯びた笑い声が、

 

段々と猛獣のような息遣いに変わっていく。

 

肉食獣を目の前にしたような緊張が、

電話越しにも伝わる。

 

A子も声を上げることが出来ないでいる。

 

その時突然、

プー・・プー・・と電話が切れた。

 

俺は一瞬呆然としたが、

直ぐ警察に通報しなければと思った。

 

110番にプッシュしようとした瞬間、

携帯が鳴った。

 

俺の友人でもあり、

A子の彼氏でもある。

 

アイツだ!

 

背筋に寒いものが走る。

 

出たくはなかった、

しかし出ないわけにはいかない。

 

俺は通話ボタンを押した。

 

「おー、もしもし?

今から飲みに行かない?」

 

俺はさらに恐怖した。

 

その口調が平常のアイツと

変わらなかったからだ。

 

「お前・・・今どこにいるんだ・・?」

 

俺は恐る恐る聞いた。

 

「えっ?今日はずっと家だけど?」

 

「お前、A子とドライブに

行ったんじゃないのか?」

 

俺は不審がって聞いた。

 

「えっ?ドライブデートは

昨日行ったばっかだよ。

 

でもアイツ、

よく一人でドライブ行くからな」

 

(終)

解説

A子が一緒にドライブしているのは、

彼氏ではなくナンパで拾った男。

 

A子が電話した理由は、

 

ナンパした男がおかしくなったから

元に戻す方法を聞くためだった。

 

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